ガレリア・イスカ通信

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2010年 09月 09日

ロバート・メイプルソープ展招待状「Moderna Museet」(1993)

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ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplathorpe, 1946-1989)が亡くなって4年後の1993年にスウェーデンのストックホルム近代美術館で開催された回顧展『Robert Mapplethorpe European Retrospective』 のヴェルニサージュへの招待状。使われたのは、1985年の自画像「Self portrait with Horns」で、アルチュール・ランボーの詩集「地獄の季節」(A Season in Hell, Limited Editions Club,1986)に挿入するために撮影された作品。この回顧展は、1992年から1993にかけて日本各地を巡回した展覧会のヨーロッパ版。日本での展覧会は、教育(開催地各教育委員会の後援を得るため)および道徳的配慮により、メイプルソープのメイプルソープ所以たる作品が外されるという、相いも変わらぬ茶番が繰り返された。牙や爪のないライオンがごとき希釈された内容によってメイプルソープの美の背後に潜む彼の性の本質に慄き戦慄し得るのだろうか。

ことの本質は誰もが理解しているはず。それが生と死の間に横たわる、最大の存在証明であるがゆえに。人間が自然から限りなく遠ざかるための指標として創り上げた《神》という幻影を顕在化させるために、衰え、乾き、やがて朽ちていく不合理な存在としての肉体は精神の外に疎外され、自己の主体的な実在性は肉体の外に形成されることによってより純化され普遍性を獲得するに至る。肉体は情念(=混沌)の器、精神の仮の宿として覆い隠される。而して昼は闇、夜は光となり、残酷までに無防備かつ無表情の肉体は他者との交合の内に自らを客体化する。そしてこの客体化された肉体を手中に取り戻すため性的対象を内在化し、行為者としての自己と対象としての他者を同一化することにより、制度としての性における存在の喪失感から自らを救い出そうとするのが、ホモ・セクシュアルでありレズビアンである。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:230x230mm
●技法:Offset
●発行:Moderna Museet, Stockholm, Sweden
●制作年:1993

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招待状の提示で三人まで入場可能とある。
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by galleria-iska | 2010-09-09 23:32 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)


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