ガレリア・イスカ通信

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2010年 09月 20日

ロバート・メイプルソープ展の案内状「Holly Solomon Gallery」(1977)

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1969年に早くも夫と共にニューヨークにオルタナティヴ・スペースを設け、パフォーマンスアートなどの実験的な試みを行なっていたホリー・ソロモン(Holly Solomon 1934-2002)は、自らがコレクションしていたラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルやリキテンスタインを始め、未だ知名度の低かったクリスト、ナム・ジュン・パイク、ウィリアム・ウェグマンなどの初期作品の展覧会を企画するようになり、1977年には二度に渡ってメイプルソープ最初期の個展である「Flowers」と「Portraits」を開催している。これは1976年に撮られた「Pan Head and Flower」を使った「Flowers」展の案内状。

性豪として名を馳せたパン(牧神)が南米の密林産のアンスリウムの花弁に軽く口を添えている写真だが、アンスリウムの「恋にもだえる心」という花言葉を知らずとも、その形体と色彩はエロティックな妄想を描き立てるに充分である。オリジナルは勿論、八セルブラッドによって撮影された正方形のフォーマットだが、案内状では、画面の左側の方が大きくトリミングされている。ギリシャ神話に登場する若き牧神というモチーフは、19世紀末から1920年代にかけてシシリー島で数多くの少年のヌード写真を撮ったヴィルヘルム・フォン・グローデン男爵の写真にそのイメージの源泉を辿ることができそうだが、グローデンの、ギリシャ時代の性への回帰ともとれる少年狂い、すなわちナルシズムへの憧憬を、ゲイとしての現実に身を置くメイプルソープは、ゲイを生来の気質として生きる自己を、より直裁に被写体に投影していたように思われる。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Annoucement
●サイズ:153x108mm
●技法:Offset
●発行:Holly Solomon Gellery Inc., New Nork
●制作年:1977

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by galleria-iska | 2010-09-20 23:22 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)


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