ガレリア・イスカ通信

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2010年 10月 14日

ポール・デルボー展の招待状「Bateau Lavoir」(1982)

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1955年にパリ6区のセーヌ通りに画廊Galerie Le Bateau Lavoirを開いたミラ・ヤコブ女史は、1960年代中葉からベルギーのシュルレアリスム画家ポール・デルボー(Paul Delvaux 1897-1994)の版元として、デルボーの大半のリトグラフとエッチングを出版、また版画のカタログ・レゾネも執筆している。デルボー以外にも、数多くのシュルレアリスムの作家の作品を扱い、また19世紀の画家オディロン・ルドンやジェームズ・アンソールの充実した版画展も開催している。ただ展覧会の会期中以外は開店休業中のことが多かったらしく、知り合いの画商は一度も中に入ったことが無い、と言っていた。セーヌ通りにあった画廊を訪れたのは一度きりだが、ポール・ヴンダーリッヒの絵画展が終了したばかりの画廊は人気も無く、画廊のコレクションとなった作品を拝見した後、画廊が出版したデルボーの展覧会図録「Cahier Paul Delvaux:no.1~3」と1966年に行なわれた「初期リトグラフ展」の限定250部のリトポスターなどを見せてもらう。版画用のアルシュ紙に印刷された図録の表紙はオリジナル・リトグラフで、食指が動いたが、500フランという言葉に敢え無く撃沈。安い昼食代で買えるヴンダーリッヒのリトポスター数枚とオリジナルは手が出ないルドンのリトポスターを一枚購入し画廊を後にした。因みにヴンダーリッヒのポスターには別刷りの版画ヴァージョンがあり、1800フラン(約45000円)だった。

バトー・ラヴォワール画廊が自らが版元となって出版したデルボー版画を紹介する展覧会は、少なくとも三回行なわれており、その都度デルボーのデッサンをもとにしたリト刷りの招待状が作られた。これは1982年に開催された「版画展」の際に作られたヴェルニサージュへの招待状で、耳を残したアルシュ紙に刷られているため、版画を手にしたような気分にさせてくれる。オリジナルは墨で描いたデッサン「Jeune Femme au Noeud Papillon(蝶結びのリボン付けた娘)で、デルボー夫妻からヤコブ女史に贈られ、展覧会の図録の表紙にも使われている。このデッサンは、ヤコブ女史が亡くなった後、2004年にサザビーズがパリのドルオーで行なったミラ・ヤコブ女史のコレクションの売り立て「Collection Mira Jacob Galerie Le Bateau-Lavoir」に、他の7点のデッサンとともにセットで出品され、エスティメイト2000~3000ユーロのところ、30000ユーロ(手数料込み)で落札されている。

●作家:Paul Delvaux(1897-1994)
●種類:Invitation(Carton d'Invitation)
●サイズ:150x107mm(150x214mm)
●技法:Lithograph
●紙質:Arches
●発行:Galerie Le Bateau Lavoir, Paris
●制作年:1982
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サザビーズのカタログ図版:「Jeune femme au nœud papillon」、180x130mm、年記(1974)と献辞(A Mira, Tam et Paul)
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by galleria-iska | 2010-10-14 16:13 | 案内状/招待状関係 | Comments(0)


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