ガレリア・イスカ通信

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2011年 05月 14日

キース・ヘリングの塗り絵本「Keith Haring's Fun Book!!」(1985)

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1960年代以降の美術界の動向に焦点を置いたフランスで最初の現代美術センターとなるCAPC((Centre d’Arts Plastiques Contemporains))が、ジャン=ルイ・フロマン(Jean-Louis Froment,1944)によってフランス南西部の都市ボルドーに設立されたのは1973年のこと。翌74年に街の中心部を流れるガロンヌ川の川岸に19世紀に建てられた「Entrepôt Lainé」と呼ばれる植民地から運ばれた食糧を貯めて置く倉庫に活動拠点が置かれ、1975年から「Artbus」と名付けられた移動式展示方法で展示活動を行なう。1984年にボルドー現代美術館(CAPC Musée d'Art Contemporain de Bordeaux)となり、食料倉庫を改造した展示会場で展覧会を開催する。1990年に全面改装され、現代美術の最新の動向を発信続けている。

キース・ヘリング二作目となるこの塗り絵本は、CAPCが美術館となった翌年の1985年に限定2000部で発行されたもので、キース・ヘリング(Keith Haring, 1957-1990)のオリジナルのドローイング12点からなる。表紙絵もヘリングのオリジナルで、ヘリングは画面左下あたりに自画像を描き込んでいる。この塗り絵本は美術館が子供たちの教育を目的に発行したもので、ヘリングとヘリングと同い年のフランスのフィギュラシオン・リーブルの作家、ロベール・コンバス(Robert Combas, 1957-)に原画の制作が依頼された。ヘリングはこの本を単なる塗り絵本ではなく、子供たちが自らの(想像)力で絵を完成させるよう、敢えてイメージの一部を未完のままにしている。塗り絵本は実際に子供たちが使って遊べるよう大きなサイズ(333x435mm)作られており、迫力ある画面となっているが、購入者の多くが、キース・へリングの愛好家ではなく、ごく普通の親であったため、オリジナルの状態のまま残っているものは非常に少ない。そのため未使用のものはコレクターズ・アイテムとなっており、1500ドルという途方もない(?)価格で販売している業者もいる。1992年に第二版が限定1500部で発行されたが、こちらも150ドル前後のプレミアム価格で販売されている。

●作家:Keith Haring(1957-1990)
●種類:Picture book
●題名:Kieth Haring's Fun Book!!
●サイズ:333x435mm
●技法:Offset
●限定:2000
●発行:CAPC(Centre d’Arts Plastiques Contemporains)Musée d'Art Contemporain de Bordeaux
●制作年:1985

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参考文献:
Bordeaux, CAPC Musée d'art Contemporain, 「Keith Haring, Peintures, sculptures et dessins」 December 1985 - February 1986
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by galleria-iska | 2011-05-14 20:14 | キース・へリング関係 | Comments(0)


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