ガレリア・イスカ通信

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2011年 05月 18日

ロイ・リキテンスタインのカバーアート「Art About Art」」(1978)

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1960年代の漫画の引用から始まり、ピカソやモネの作品を下敷きにした作品を制作してきたロイ・リキテンスタインは1977年、自分自身の過去のモチーフなどをシュルレアリスム的解釈を施して構成する“シュルレアリスト”ペインティングを始め、1979年までに49点の作品を制作。1978年にはジェミナイ版画工房からリトグラフ6点組の「シュルレアリストシリーズ」も出版している。同年、ニューヨークのホイットニー美術館で開催された、現代美術における引用に焦点を当てた「美術についての美術(Art About Art」展のカタログの表紙も、この”シュルレアリスト”ペインティングに関連する構図でデザインされている。モチーフとして描かれている画枠(Stretcher Frame)は1968年のペインティングや1969年に出版された「ロイ・リキテンスタイン:素描と版画」のブックカバーに描かれたものであり、大きく見開いた目や唇も、リキテンスタインが1960年代に盛んに描いたブロンド美人を特徴付ける重要な要素である。その60年代のモチーフであった画枠が捲れ、その内側から1970年代の画題である“シュルレアリスト”という別の画枠が現われるが、それは誰もが知るダリの手法を思い起こさせる。このイメージは展覧会の告知用ポスターにも使われているが、ポスターでは、タイポグラフィーが省かれ、作品の表題ならぬ展覧会情報を記したラベルが貼られているところが面白い。

●作家:Roy Lichtenstein(1923-1997)
●種類:Book cover
●サイズ:255x181mm
●技法:Offset lithograph
●限定:15000
●出版:E.P.Dutton, New York
●印刷:Lithochrome, New York
●制作年:1978


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by galleria-iska | 2011-05-18 18:40 | 図録類 | Comments(0)


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