ガレリア・イスカ通信

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2011年 06月 03日

ジグマー・ポルケのポスター「Wochenendhas(Weekend House)」(1967)

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このポスターも、先に取り上げたウォルフ・フォステルのポスターと同様、ベルリンの画廊で出版も行なっているルネ・ブロックが企画・出版した版画集「資本主義リアリズム(Grafik des Kapitalistischen Realismus)」に収録されているジグマー・ポルケ(Sigmar Polke, 1932-1998)のシルクスクリーン版画「週末の家(Wochenendhaus)」に広告文を加えたものである。ルネ・ブロックはポルケの初期の活動を支えた画廊で、ポルケは1966年、68年、69年の計三回、この画廊で個展を開催している。この版画作品でポルケは当時消費文化が台頭しつつあったドイツでレジャー用に売り出されたコテッジ風に家をモチーフとして取り上げており、1999年にニュヨーク近代美術館で開催されたの展覧会「Pop impressions Europe/USA」の図録によれば、新聞に掲載された写真を使い、手書きで印刷の網点を加えた図表のようなドローイングの前景に植物を配した原画を作成し、写真製版によってシルクスクリーン用の原版を作っているのだが、ルネ・ブロックの助言で、モノクロだった原画の前景の花にピンクと緑が加えられた、とある。紙質を変えて刷られた広告用のポスターには、下の余白にヴォルフ・フォステルのポスターと同じ広告文が入れられている。

ポルケは1941年、旧東ドイツ、ニーダーシュレジェンのエルスに生まれ、1955年に家族と共に西ドイツに移住する。 1961年にデュッセルドルフ美術アカデミーに入学し、ゲルハルト・リヒター、ブリンキー・パレルモらと親交を結ぶ。ポルケの1960年代の作品では、少年時代に体験した東西ドイツの落差、とりわけ西ドイツの経済復興期における資本主義下の物と情報の氾濫が、印刷媒体からの写真やイラストを介してアイロニカルなイメージとして作品に取り込まれることとなる。1963年に「資本主義リアリズム」を結成したリヒター、リューク、ポルケの三人が標榜するのは「ドイツ版ポップ・アート」であり、その三人の芸術が「現代のマスメディアをきちんとした文化現象」とみなす、とするリヒター言葉通り、ポルケはポップ・アートの影響下で、印刷図版の網点を拡大したドット(網点)絵画を制作しており、この版画作品もその手法を用いたもののひとつである。

●作家:Sigmar Polke(1941-2010)
●種類:Poster(Plakate)
●題名:Wochenendhaus(Weekend House)
●サイズ:596x840mm
●技法:Silkscreen
●印刷:Birkle & Thomer & Co., Berlin
●発行:René Block for Stolpe Verlag, Berlin
●制作年:1967

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画面右下部分


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by galleria-iska | 2011-06-03 20:59 | ポスター/メイラー | Comments(0)


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