ガレリア・イスカ通信

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2011年 06月 08日

ブルース・ウェーバー特集号「PER LUI LUGLIO/AGOSTO 1985-N.29」

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写真家にもそれぞれ得意とするジャンルがあるのだろうが、もともとは自己の外部の世界を記録するための道具であったはずである。が、写真がそれまで絵画の要素である記録性という側面に取って代わると、相互に影響し合い、それぞれの持つ性質が互いに入り込んでいった結果、相容れない矛盾を抱え込んだ、今ある写真の概念が出来上がったようだ。従って、そこには常に冷徹な記録性と撮影者の対象を見つめる眼差しの奥底にある何らかの想いのようなものが交差している。監視カメラの映像や画面に映し出されているフラットな世界の断片を見れば、写真というものが深く人間の身体性に関わっているかが分かるはず。写真は静止した画像であるが、その記録性が人々の見たいという要求や願望を実現する術となり、さらに印刷技術の進歩により、オフセット印刷による大量の印刷が可能となると、あらゆるものが写真の対象となり、視覚世界を無限に拡大してきた。が、更に写真自体がひとつの擬似的な世界を提供し、その中に人間の持つ様々な想いが投影されていくこととなる。

1982年のカルヴァン・クラインの下着写真の成功を機に、一躍人気商業写真家に躍り出たブルース・ウェーバー(Bruce Weber,1946-)であるが、芸術家の仲間入りは少し遅いようだ。彼の写真集は被写体となったモデルの話題性も手伝い、人気が高い。今手元に残っているのは、スミソニアン協会出版(Smithsonian institution Press))から刊行されていた写真家入門シリーズとも言える“Photogaphers at Work"の中の「Hotel Romm with a View」だけで、もう一冊、写真集とは言えないが、ウェーバーという写真家のフィールドが良く分かるという意味で、ウェーバーをフューチャーしたイタリアの男性版ヴォーグ「Per Lui」の1985年7/8月号がある。1989年にエイズで亡くなったロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethope, 1946-1989)と同じ1946年生まれのウェーバーは、男性ヌードをひとつのジャンルにまで高めた功績は評価されるのであろうが、ファッションのコードの超える何かが見えてこない。

●作家:Bruce Weber(1946-)
●種類:Men's magazine
●題名:Per Lui Edizione Speciale: USA by Bruce Weber
●サイズ:280x212mm
●技法:Offset
●発行:Edizioni Condé Nast, Milano
●制昨年:1985


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by galleria-iska | 2011-06-08 19:48 | その他 | Comments(0)


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