ガレリア・イスカ通信

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2011年 06月 13日

ジャンルー・シーフの風景写真「Sad Landscape No.1 England」(1965)

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2010年に東京都写真美術館で回顧展「ジャンルー・シーフ写真展‐Unseen & Best works」が開催され話題を呼んだジャンルー・シーフ(Jeanloup Sieff, 1933-2000)(1)は、数は少ないが、風景写真にも優れた作品を残している。初期の風景や都市の光景は、シーフがニューヨークを拠点に、「ルック」、「グラマー」、「エスクァイア」、「ハーパース・バザー」や、ヨーロッパの「ヴォーグ」などの仕事を行なっている間に撮られたもので、その多くは21mmという広角レンズの特性を生かした表現で、ほぼ300x200mmの非常にタイトな垂直画面に見た目以上の遠近感を表出させている。シーフの初個展は1969年であり、それ以前のプリントは印刷原稿や展示用に焼かれたもので、サインや限定番号が入っておらず、比較的安価に入手することが出来る。シーフがニューヨークからパリに戻ろうとしていた頃に撮られた「Sad Landscape No.1 England」」と題されたこの風景写真もそのような写真の一枚で、写真の表と裏にボールペンで「England 1965」との書き込みある。1997年11月20日に行なわれたクリスティーズのオークションには1966年の年記のあるものが出品されている。裏に《Jeanloup Sieff》のゴム印。

●作家:Jeanloup Sieff(1933-2000)
●種類:Photograph
●題名:Sad Landscape No.1 England, 1965
●サイズ:303x200mm(シート:402x298mm)
●技法:Gelatin Silver Print
●制作年:1965

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註:
1.ポーランド出身の両親のもと1933年パリに生まれる。写真についてのごく短期間(フランスで一ヶ月、スイスで七ヶ月)の専門講義を受けた後、すぐにパリでフリーランスのルポルタージュ写真家として独立。1955年に雑誌「エル」の写真家となる。1958年にマグナム・フォト(Magnum Photos)に加わり、ヨーロッパ各地でのルポルタージュ写真がスイスの写真誌「カメラ」に掲載される。1959年にマグナムを去り、ベルギーの炭鉱都市でのドキュメントで「ニエプス賞」を受賞する。1961年にニョーヨークに渡り、「ルック」、「グラマー」、「エスクァイア」、「ハーパース・バザー」や、ヨーロッパの「ヴォーグ」などの仕事を1965年まで行なう。1966年にパリの戻り、自身のスタジオを開設する。この時の引っ越し通知を友人のジャン=ミッシェル・フォロンが作っている。



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by galleria-iska | 2011-06-13 14:01 | その他 | Comments(0)


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