ガレリア・イスカ通信

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2011年 06月 20日

フランク・オハラの詩画集「In Memory Of My Feelings-Frank O'Hara」(1967)

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「私の感情の思い出」は、1966年7月24日の早朝、サンド・バギーと衝突、翌25日に40才の若さで亡くなったアメリカのニューヨーク派の詩人であり、ニューヨーク近代美術館の学芸員でもあったフランク・オハラ(Frank O'hara,1926-1966)の死を悼み、1967年にオハラの親友の詩人で、当時ニューヨーク近代美術館の出版部門の客員編集者だったビル・バークソン(Bill Berkson,1939-)によって編まれた詩画集である。挿絵はロバート・マザーウェルの助言によって選ばれた総勢30人の作家によるもので、友人のウィレム・デ・クーニング(Willem de Kooning),ノーマン・ブルーム( Norman Bluhm),ラリー・リヴァース( Larry Rivers)、ジョアン・ミッチェル(Joan Mitchell)を始め、抽象表現主義のロバート・マザーウェル、バーネット・ニューマン、リー・クラスナー、ヘレン・フランケンサーラー、ネオダダのジャスパー・ジョーンズ、ロバート・ラウシェンバーグ、ポップ・アートのロイ・リキテンスタイン、クレス・オルデンバーグ等、現代美術の錚々たるメンバーが参加している。作家にはそれぞれページにレイアウトされた一編の詩のゲラ刷りと透明なプラスティックシートが渡され、ゲラ刷りの上にプラスティックシートを重ね、その上に直接描画するよう指示された。挿絵は一人一点ないし二点、デ・クーニングは三点、合計46点。それらは写真製版によるリトグラフで印刷された。参加した作家の内、ロイ・リキテンスタインとウィレム・デ・クーニングは、詩画集制作の意図を汲み、挿絵をオリジナルの版画作品として承認していることから、カタログレゾネにも掲載されているが、素晴らしい出来栄えの挿絵を制作したジャスパー・ジョーンズを始めとする他の多くの作家は、挿絵をオリジナル版画とは認めていないようである。その理由は、編者が詩人で、版画についての専門知識が無く、印刷にテキスト用紙の《Mohawk Superfine Smooth(White) 》を使ったことから、挿絵が版画としての表情に乏しいものになってしまったためではないかと思われる。そのため、この詩画集は、現代美術の錚々たるメンバーが一同に会しているにも拘わらず、驚くほどの安価で取引されている。生誕80年か、没後40年か、理由は分からないが、2005年に同美術館からファクシミリによる復刻版が出版されている。

●作家:Frank O'Hara(1926-1966)
●種類:Illustrated book
●題名:In Memory Of My Feelings: A Selection of Poems by Frank O'Hara
●ケースサイズ:324x240x32mm
●シート:305x230mm(305x460mm)
●技法:Photolithograph
●限定:2500(numbered on colophon page)
●編集:Bill Berkson
●発行:Musueum of Modern Art, New York
●印刷:Crafton Graphic C0ompany, Inc., new York
●制作年:1967

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ロイ・リキテンスタインによる《Romanz, or The Music Students》のために挿絵(1)
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ジャスパー・ジョーンズによる《In Memory of My Feelings》のための挿絵(1)
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ロバート・ラウシェンバーグによる《A Step Away from Them》のための挿絵(1)
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ウィレム・デ・クーニングによる《Ode to Willem de Kooning》のための挿絵(1)。
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by galleria-iska | 2011-06-20 19:28 | その他 | Comments(0)


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