ガレリア・イスカ通信

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2011年 07月 14日

ベルクグリューン画廊の案内状「Accrochage de photographies」(1999)

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カメラ屋の宣伝?、はたまたライカの広告か、と思いきや、パリのベルクグリュン画廊から届いた写真展の案内状。ドイツ系ユダヤ人画商ハインツ・ベルクグリューン(Heinz Berggruen, 1914-2007)によって第二次世界大戦後の混乱冷め遣らぬパリに設立されたベルクグリュン画廊は、創業者のハインツ・ベルクグリュンから画廊を引き継いだ二代目の経営者アントワーヌ・マンディアラ(Antoine Mendiharat)が亡くなった後、しばらく経営者不在の時機があったが、-知り合いの画商にも買取の打診があったとか-1991年に画廊の経営権を獲得したのは、ルーヴル美術学校(L'Ecole du Louvre)で美術史の専門教育を受けたソワジック・オドゥアール(Soizic Audouard)という女性ディーラーであった。

紹介によれば、彼女は1968年にマルセル・デュシャンが最後の展覧会(1957年)を開いたパリの先鋭的な画廊、クロード・ジボダン(Galerie Claude Givaudan)を訪れたのがきっかけで、その後しばらくしてジボダンと協力関係を持つこととなる。彼らは1975年、ジュネーヴにダダ、シュルレアリスム、写真、そしてマルティプルの総本山とも言える二番目を画廊を開設、通常では考えられない方法の展覧会を開催し、また、ウィリアム・バロウズやアレン・ギンズバーグなど、ビート・ジェネレーションの作家の出版も行なっている。写真に関しては、当時まだヨーロッパで写真を展示する画廊は皆無に近かったが、アボット、マン・レイ、ベルメール、ウィージー、ブラッサイ、メイプルソープなどの作家の写真展を開催している。1988年にクロード・ジボダンが亡くなると、活動の場をオークションに移し、ダダの詩人、トリスタン・ツァラの書庫や、シュルレアリスムの大コレクターとして知られる出版人、ダニエル・フィリパッキのコレクションのセールなどを企画している。

オドゥアールは写真に関する鋭敏で緻密、かつ興味深い洞察力を持ち合わせており、ディーラーとして、写真史に残る重要な作品の収集を行いつつ、2001年に画廊を閉めるまで、シュルレアリスムの作家やそれを引き継ぐ現代作家の作品を取り扱った。彼女は以前に取り上げたベルクグリュンの最後の通信販売用カタログ「Maitres-graveurs contemporains」の発行者である。この案内状は、そんな彼女のコレクションを展示する企画の際に作られたもので、ズミクロン50ミリ付きライカM6(?)を型取った、二つ折りのユニークな案内状である。

●種類:Invitation
●サイズ:52x97mm
●技法:Offset
●発行:Berggruen & Cie, Paris
●制作年:1999
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by galleria-iska | 2011-07-14 22:17 | 案内状/招待状関係 | Comments(2)
Commented by マン・レイ・イスト at 2011-07-15 22:29 x
大阪のかっぱ横丁にある書店でご紹介のライカ型案内状を見た記憶があります。しばらく、店の壁面にピンで留められていたので欲しいなと思っていました。ベルグレンではマン・レイの帰仏展があったのですが、その案内状もステキでした。フランスのセンスにいつも脱帽しています。
Commented by galleria-iska at 2011-07-16 12:42
こんにちは。マン・レイ・イスト様、かっぱ横丁のお店は“リブレリXXXXX”だったのでしょうか?小生もお店が出来て間もない頃に何度か通った覚えがあります。一月二万円ほどで生活していましたので、棚に並べられた美術書を眺めて帰るだけでしたが...。この案内状を見ていて思ったのは、日本人はつくづく欲張りだなぁということです。ドイツの技術もフランスのセンスも同時に欲しがるのですから。


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