ガレリア・イスカ通信

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2011年 07月 21日

アレクサンダー・ローブ展招待状「Alexander Roob CS-V Bildroman-Zeichnungen」(1995)

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日本では、「錬金術と神秘主義(Alchemy & Mysticism:The Hermetic Museum)‐ヘルメス学の博物館」(クロッツ・シリーズ)と「錬金術と神秘主義(Alchemy & Mysticism:Icons)アイコン:ヘルメス学の陳列室」(アイコン・シリーズ)の編者として知られる現代美術家、アレクサンダー・ローブ(Alexander Roob,1956-)(1)の素描展のオープニングへの招待状。展覧会は、ローブの形象小説(Bildroman)となる、スカラベ写本(Codex Skarabäus)、第五巻の出版に際して企画されたもので、1996年1月21日から2月18日まで、バルト海に面する北ドイツの代表都市、リューベックのオーヴァーベック協会(Overbeck-Gesellschaft, Lübeck)で開催された。

紹介によれば、ローブのスカラベ写本(CS)の企画は1985年に始められたが、"CS"にはローブの制作のあり方関わる幾つかの意味が込められているという。シー・エスという発音はドイツ語の"'Sieh es!"(See it, look at it!)と同じであり、続き漫画を意味する"Comic Strip"の頭文字とも取れる。ローブは、目に映る事物や事象を、必要最小限の用具を用い、見たままに、流動的な形態で描き写していく。この記録するという行為は、写真や映像に比較されるが、ある一瞬を静止した画像として留める写真の特質とは異なり、展開する状況や出来事と同調しながら進められる線描には、そこにある現実の持つ緊迫感を留め置く。スカラベ写本はその構成方法から文脈を持たない連続漫画と見做されているが、それは個々の素描が独立しており、言語的な制約からも自由であるからであり、素描は認識の過程のように流れていき、時に記憶とファンタジーの間を行き交う。ローブのこのような姿勢は、時間と空間を基盤とするあらゆる出来事の同時性の認知について難解な構造持つウイリアム・ブレイクの図像と詩を明らかに参照している、とある。日本での展覧会は未だ企画されていないようである。

●作家:Alexander Roob(1956-)
●種類:Invitation
●技法:Offset
●発行:Overbeck-Gesellschaft, Lübeck
●制作年:1996


註:
1.ローブの簡単な略歴:
Alexander Roob was born in Germany in 1956 and studied painting at the Berlin Academy of Art. The thousands of drawings that he has produced in different locations have been published in five volumes. His drawings have also been exhibited in galleries and museums in many parts of Europe including the Städtische Galerie, Lenbachhaus, Munich, 1998; the Graphic Collection Albertina, Vienna, 1999; the Museum of Modern Art, Frankfurt / Main, 2000; and the Goethe Institut in Rotterdam, 2000. From 2000 to 2002, he was a professor at the University of Fine Arts, Hamburg. He has been teaching at the Academy of Fine Arts, Stuttgart since 2002.


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by galleria-iska | 2011-07-21 12:29 | 案内状/招待状関係 | Comments(0)


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