ガレリア・イスカ通信

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2011年 12月 05日

ホルスト・ヤンセンのポスター(14)「Galerie Brockstedt Hamburg」(1967)

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ハンブルクのブロックシュテット画廊で1967年12月から翌年の1月にかけて行なわれた画廊設立10周年の展覧会を告知するために作られたポスター。ヤンセンはこのポスターから亜鉛版エッチングで多色刷りを行なうようになる。また中間トーンの表出に向かないという亜鉛版エッチングの特徴であり弱点でもある性質を補うため、画像では解像度が低いために潰れてしまっているが、ヤンセンは無数の描線を書き連ねることで諧調を作り出している。この手法は、それまで黒ベタで描かれていた人物の着衣に用いられ、アドルフ・ヴェルフリの展覧会ポスターでは部分的だったものが、ゲオルク・グレスコの展覧会ポスターでは全面的に取り入れられ、逆に黒ベタの部分が画面から消えてしまっている。このポスターでは幾分バランスを図っているのだが、人物の描写については、もはや人の顔とは見分けられないくらいデフォルメされており、画面中央に描かれている管楽器を演奏する人物はヤンセン自身なのかもしれないが、その姿は蟹を想像させる。向って右側の耳の上に、最初の文字ははっきり読み取れないが、《Degressiven Zwang 》というような書き入れがあり、続けて《 -x-=+》と数学の法則が書かれている。また画面右上の方にも《+》の記号が見える。何を意味しているのだろうか。

展覧会には、ウイーン分離派を代表するクリムト(Gustav Klimt, 1862-1918)やエゴン・シーレ(Egon Schiele, 1890-1918年)、ドイツ象徴主義のマックス・クリンガー(Max Klinger, 1857-1920)、新即物主義のクリスティアン・シャッド(Christian Schad, 1894-1982)、オットー・ディックス(Wilhelm Heinrich Otto Dix, 1891-1969)、ゲオルク・グロス(Georg Ehrenfried Groß, 1893-1959)などに加え、契約作家のフンデルトヴァッサー(Friedensreich Hundertwasser, 1928-2000)、ヤンセン(Horst Janssen, 1929-1995)、ヴンダーリッヒ(Paul Wunderlich, 1927-2010)、ベルメール(Hans Bellmer, 1902-1975)、ピット・モレル(Pit Morell, 1939-) 、アウトサイダー・アートのゾンネンシュターン(Friedrich Schröder-Sonnenstern, 1892-1982)の作品が出品された。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Poster(Plakat)
●題名:10 Jahre Galerie Brockstedt
●サイズ:631x847mm
●技法:Strichätzung(Zinkätzung)
●限定:1000
●発行:Galerie Brockstedt, Hamburg
●刷り:Hans Christians, Hamburg
●制作年:1967 13.11
●目録番号:Meyer-Schomann 30

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画面右下の余白に入れられたヤンセンのモノグラム・サインと年記。靴のつま先にもサインとポスターの制作年月日が書き込まれている。
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by galleria-iska | 2011-12-05 17:55 | ホルスト・ヤンセンのポスター | Comments(0)


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