ガレリア・イスカ通信

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2011年 12月 26日

ホルスト・ヤンセンのポスター(16)「Hamburger Schauspielhaus(1)」(1968)

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ホルスト・ヤンセンは社会変革への要求の波が頂点に達する1968年の秋、ハンブルクにある国立のドイツ劇場(Das Deutsche Schauspielhaus in Hamburg)で上演された三つの劇の初日を広告するポスターを制作している。最初のポスターは、『"Über den Gehorsam" -Szenen aus Deutschland, wo die Unterwerfung des eigenen Willens unter einen fremden als Tugend gilt (”服従について”-見知らぬ者に対して自分の意志を従属させるのが美徳であるとするドイツの場面』という劇のためのもので、ヤンセンとは二つ違いの、日本では映画「史上最大の列車強盗」の製作者として知られる俳優、映画監督、脚本家、作家のエゴン・モンク(Egon Monk, 1927-2007)が、劇作家クラウス・フーバレック(Claus Hubalek) とともに脚本を書き、芸術監督を務めた。この初日公演はドイツの舞台史上初めてテレビで、しかもカラーで生中継されている。

その当時発行されたドイツの週刊誌「シュピーゲル(Der Spiegel)」によると、この劇はその当時のドイツの置かれていた時代背景を色濃く反映した政治的な諷刺劇として書かれたものらしく、ヤンセンは、抑止力としての銃と、当時ナチスの強制収容所との関係を取りざたされていたドイツ連邦共和国(西ドイツ)の第二代大統領ハインリッヒ・リュプケ(Heinrich Lübke, 1894-1972)を描いている、とあるのだが、ドイツの、特に現代史の中で、服従というものが如何に変質してしまったのか、と云うことが、幾つかの例を挙げながら語られる。ヤンセンは中心人物の胸のバッジに“Make Love to Monk"という言葉を書き込んでいるが、それにはドイツの現代演劇の歴史的転換となるモンク(の作品)に対する求愛というか、最大限の賛美の気持ち込められているのだろうか。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Poster(Plakat)
●題名:Premier "Über den Gehorsam"
●サイズ:866x512mm
●技法:Strichätzung(Zinkätzung)
●限定:2000
●発行:Hamburger Schauspielhaus(Das Deutsche Schauspielhaus in Hamburg)
●刷り:Hans Christians, Hamburg
●制作年:1968
●目録番号:Meyer-Schomann 32

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by galleria-iska | 2011-12-26 20:43 | ホルスト・ヤンセンのポスター | Comments(0)


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