ガレリア・イスカ通信

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2012年 01月 09日

ホルスト・ヤンセンのポスター(18)「Hamburger Schauspielhaus(3)」(1968)

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ドイツ劇場の芸術監督に就任したエゴン・モンクが三作目に予定していたのが、東プロセインの中心地であったケーニヒスべルク生まれの、モンクと同年輩の劇作家、小説家、ラジオ劇作家ゲルリント・ラインスハーゲン(Gerlind Reinshagen, 1926-)の「ドッペルコップフ「Doppelkopf)」という劇作品であった。ラインスハーゲンは高校時代に既に薬剤師の下で修行し、1946年から49年までニーダーザクセン州のブラウンシュヴァイク工科大学で薬学を学び仕事に就くが、1953年から56年までベルリン芸術大学に学び、1956年にフリーランスの作家となる。子供向けの本やラジオ劇で作家として第一歩を踏み出し、1968年からは社会批判的な劇作品を手掛けるようになる。「ドッペルコップフ」はラインスハーゲンが41才のときに書いた最初の劇作品で、1968年2月24日、フランクフルトの市立劇場、TAT(=Theater am Turm:塔劇場)で、ドイツの「68年世代」を代表する演出家クラウス・バイマン(Claus Peymann, 1937-)によって初演されると、大きな反響を呼び、劇作家として注目を浴びる存在となる。その初演からおよそ八ヵ月後の10月の下旬、エゴン・モンクの演出によって再び上演されることになっていたのだが、前二作の不評を受け、役者との間に溝が生まれ、公演約二週間前に辞任に追い込まれる。モンクに代わって舞台の演出を行なったのは経験の浅い無名のエバーハルト・フェヒナーである。公演の初日を知らせるポスターは既に制作されていたため、芸術監督であったモンクの名がそのまま使われている。ポスターには、画面を左右に二分するように、相反する性格、性質、体制などを象徴する二つの頭を持つ人物が描かれている。その左右の胸に付けられたバッジには、ともに1949年に設立されたドイツの代表的な労働組合“DGB(=Deutsche Gewerkschaftsbund:ドイツ労働総同盟)”と“BDI(=Bundesverband der Deutschen Industrie e.V:ドイツ産業連盟)”の文字が記され、人物は"DGB”の方を指差しているのだが、それはモンクが"DGB”にこの公演のチケットを500枚購入するように依頼していたからである。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Poster(Plakat)
●題名:Premiere "Doppelkopf"
●サイズ:867x609mm
●技法:Strichätzung(Zinkätzung)
●限定:2000
●発行:Hamburger Schauspielhaus(Das Deutsche Schauspielhaus in Hamburg)
●刷り:Hans Christians, Hamburg
●制作年:1968
●目録番号:Meyer-Schomann 34

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by galleria-iska | 2012-01-09 12:04 | ホルスト・ヤンセンのポスター | Comments(0)


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