ガレリア・イスカ通信

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2012年 02月 09日

ピカソのポストカード「Congrès mondial des partisans de la paix」(1949)

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1949年にフランス共産党が主催した第一回「平和のパルチザンの世界会議(Congrès mondial des partisans de la paix)」の宣伝用ポストカード。ピカソが描いた鳩を用いた同会議のポスターと同じイメージで作られており、配色は違うが、文字に使われた色も同じである。ただフォーマットがポスターと違って横位置のため、余白が少なく、ポスターでは画面の外にあった刷り込みサインが、画面の右側に白抜きで嵌め込まれている。

●作家:Pablo Picasso(1892-1973)
●種類:Postcard(Carte Postale)
●題名:Congrès mondial des partisans de la paix
●サイズ:90x137mm
●技法:Offset
●発行:Editions O.P.F., Paris
●制作年:1949
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1949年にフランス共産党が主催した第一回「平和のパルチザンの世界会議」の宣伝用に作られたポスター。ポスターのイメージには、ピカソがアンリ・マチスから貰った毛深い足を持つミラノの鳩のひとつを描いたリトグラフ(1949年1月9日制作)が使われている。伝記によれば、ピカソはこの鳩を平和の象徴として描いた訳ではなかったが、平和会議のポスターに使われたことは非常に喜んだとのことである。このポスターの成立については、それに関係した人物がそれぞれの立場から語っているため、幾つか内容に食い違いがあるのだが、平和会議を宣伝するためのポスターの下絵をピカソに依頼したのは、当時フランス共産党の指導的知識人であった詩人で小説家のルイ・アラゴン(Louis Aragon, 1897-1982)で、ピカソはその依頼を引き受けたものの、制作を先延ばしにしていた。それでアラゴンは約束を思い出させるためにピカソのアトリエを訪れるのだが、そこで一羽の鳩を描いたリトグラフをピカソが最近制作したリトグラフの束の中から見つける。アラゴンはそのリトグラフをポスターの下絵代わりに貰い受け、ポスターに使う許可を取ると、ムルロー工房に持ち込んだ。そして出来上がった見本を会議の主催者に見せたところ、北国のものや鳩愛好家たちには鳩の姿が奇異なものに映ったのだが、アラゴンは「この鳩は空を飛ぶ鳥ではない」と切り捨てたというものである。伝記によると、アラゴンがリトグラフを持ち帰ったのは昼ごろで、その日の夕方5時には、ピカソの鳩を使った平和会議のポスターがパリじゅうの建物を彩っていた、とある。リトグラフはムルロー工房でフォト・リトグラフによって複製された。ポスターの限定は1500部で、フォーマットは60x40cmのものと120x80cmのものがある。
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by galleria-iska | 2012-02-09 17:26 | その他 | Comments(2)
Commented by マン・レイ・イスト at 2012-02-11 10:06 x
ブログにアップされるのを、毎回楽しみにしています。今回の葉書とポスターのセットは、特に素晴らしい。解説も適切で涎ものです。
Commented by galleria-iska at 2012-02-11 19:01
こんばんは。マン・レイ・イスト様。いつも拙ブログをご覧いただき、ありがとうございます。ピカソが共産主義に加担したとして、この鳩を揶揄する諷刺画が幾つも描かれているようなのですが、そんな新聞記事を見つけることができましたら、また取り上げてみたいと思います。


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