ガレリア・イスカ通信

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2012年 02月 15日

ホルスト・ヤンセンの最初期のポスター「Galerie für moderne Kunst(Brockstedt)Hannover」(1957)

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ホルスト・ヤンセンが1957年の5月17日から6月18日にかけてハノーファーの現代美術画廊(ブロックシュテット画廊の前身)で行なった木版画による最初の個展の告知用に制作したオリジナルのカラーリトグラフ・ポスター。ヤンセンのポスター二作目となるこのポスターは、ペン画を元にデザインされ、刷りは盟友パウル・ヴンダーリッヒの手を借りてヤンセン自身が行なっている。どんな作家も初めて挑む技法は、手探りで暗闇に足を踏み入れるのにも似て、恐る恐るといった感があるが、銅版画では熟達した技法を身に付け、数々の傑作を物にしていたピカソであっても最初に作ったリトグラフはぎごち無さを感じさせる硬い表情のものであった。ヤンセンのポスター第一作は、現代美術画廊での個展に先立ち、この年の1月から2月にかけて自宅の居間を会場に開いた25点の新作木版画による展覧会の告知用にヴンダーリッヒの協力を得て作ったモノクロのリトグラフ・ポスターであるが、二作目と同じ太鼓を叩く人物を描いたペン画風の画面には未だリトグラフらしい表現を見い出すことはできない。ピカソがごく短期間でリト職人が舌を巻くほどの熟達振りを見せたように、ヤンセンも二作目のポスターでリトグラフの表現法を幾つか試しているのが見て取れるのだが、その後すぐにアール・ブリュットの影響を受けた線描を主体とする殴り書きスタイルとなり、ヤンセンにとって本格的なリトグラフと言えるのは1969年にムルロー工房で制作した「Facts」ぐらいで、後は専ら線描画に終始している。

このポスターの摺刷数は100枚未満とあり、告知用と考えると少ないように思われるが、これ以降に作られたポスターはヤンセンが一人で刷りを行なっているため、摺刷数は更に少なく、50枚以下のものが多い。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Poster(Plakat)
●サイズ:966x644mm
●技法:Original color lithograph
●限定:under 100 copies
●発行:Galerie für moderne Kunst(Brockstedt), Hannover
●印刷:Artist with assistance of Paul Wunderlich
●制作年:1957
●目録番号:Meyer-Schomann. 2
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by galleria-iska | 2012-02-15 20:39 | ホルスト・ヤンセン関係 | Comments(0)


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