ガレリア・イスカ通信

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2012年 05月 18日

ジム・ダインの版画展の招待状「Kestner-Gesellschaft Hannover」(1970)

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1970年3月20日から4月26日にかけてハノーファーのケストナー協会(Kestner-Gesellschaft Hannover)で開催されたジム・ダイン(Jim Dine, 1935-)の版画展のオープニングへの招待状。展覧会にはジム・ダインが1960年に制作したハプニング「カークラッシュ」に因む5点のリトグラフからこの展覧会のために制作された告知用ポスターまで全78点が出品され、ポスターと同じイメージを用いた図録「Jim Dine Complete Graphics」も刊行された。

ジム・ダインの絵画制作において用いられる浴室のシンク、バス・ローブ、大工道具、パレットや筆などのダインの生活体験と結び付く様々なオブジェは、ロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズが行なったような、芸術と日常生活との境界を取り払い両者を相互浸透させようとする現代美術の新しい試みに連なりながらも、それらに何らかの感情を重ね合わすことで、暗喩やパロディ、諧謔を含んだ作品を作り上げるための要素として用いられると指摘されるが、その傾向はハプニングや絵画と関連して制作された版画においてより一層顕著に表れているように思われる。ダインは1959年から翌60年にかけて行なったハプニングによってニューヨークのアートシーンでは一躍時の人となるが、本来パフォーミングアートを創作活動の場としていた訳ではなく、周囲の期待と本人の意図とのずれから、ハプニングを放棄、1967年に家族とともにロンドンに移住し、素描と版画を中心とする創作活動を行なう。この展覧会は、1971年にヴァーモント州の自然豊かな小村パトニー(Putney)に農場を購入し移住するにあたり、ロンドンでの制作活動を中心とする1960年代の版画制作を総括する展覧会として企画された。その後ダインは新たに人物という、より個人的なつながりのあるモチーフをテーマに作品制作に取り組んでいくこととなる。

●作家:Jim Dine(1935-)
●種類:Invitation
●サイズ:210x107mm
●技法:Letterpress
●発行:Kestner-Gesellschaft Hannover
●制作年:1970

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展覧会の図録「Jim Dine Complete Graphics」の出版案内、4ページ、210x210mm
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展覧会の図録、208x220mm、160ページ、図版:135点(カラー85点)
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展覧会の図録、タイトルページ

ジム・ダインの版画の目録はこれまでに4冊刊行されているが、全てそれまでの創作活動を総括する意味を持つ展覧会の開催に合わせて刊行されたものである。二巻から四巻は以下の通り。
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ジム・ダインの版画の目録(第二巻)「Jim Dine Prints:1970-1977」Icon Editions(Harper & Row, Publisher), 1977, 134pp, 305x222mm
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ジム・ダインの版画の目録(第三巻)「Jim Dine Prints 1977-1985」Icon Editions(Harper & Row, Publisher), 1986, 182pp, 280x230mm
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ジム・ダインの版画の目録(第四巻)「Jim Dine Prints 1985-2000: A Catalogue Raisonne」The Minneapolis Institute of Arts, 2002, 255pp, 315x250mm
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by galleria-iska | 2012-05-18 18:15 | 案内状/招待状関係 | Comments(0)


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