ガレリア・イスカ通信

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2012年 08月 15日

菅井汲のリトグラフ「Petit Lac」(1965)

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八月も半ばとなり、町はお盆で静かである。ただ青い空に白い雲といった真夏の風景はどこえやら、今日も朝からどんよりとした天気で蒸し暑く、じっとしていても汗がにじむ。こんな時は涼を求め、川遊びにでも出掛けてみたいと思うが、老体が一人で出掛け事故に遭っても誰も気付かないのではないかと思うと、尻込みしてしまう。涼しげな絵でも見れば気分も変わるかと思い、大野麦風の『大日本魚類図集』(1935年)の“鮎”の図があったのではないかと探してみたが、もう随分と前に手放してしまったのかもしれない。せめて青い色でも眺め、涼を得ようと取り出してきたのが、これである。沼も女陰も深みに嵌れば抜け出せない。

1963年に開催された展覧会を契機にハノーファーのブルスベルク画廊と契約した菅井汲(Sugai Kumi, 1919-1996)が1965年に制作したリトグラフの小品「小湖(Petit Lac)」(300x193mm)である。同じ年に制作された「青い太陽(Soleil Bleu)」(760x560mm)のヴァリアントではないかと思われるが、印刷所が異なる。前者は同じくブルスベルク画廊の契約作家であったヴンダーリッヒがリトグラフの刷りを研究したパリのデジョベール工房(ピカソの初期のリトグラフの刷りを行ったエドモン・デジョベール(Edmond Desjobert)が設立、その息子ジャック(Jacques Desjobert)が引き継いだ )で、後者はこちらもパリのリトグラフ工房で版画の出版も行なっている1954年設立のミシェル・カッセ(Michel Cassé)。ムルロー工房と比べると、この二つの工房の刷りの違いは殆んど無いように見える。ここで取り上げるのは、出版された100部とは別に刷られ、デジョベール夫人に献呈されたもの。菅井の洒落であろうか。

●作家:Sugai Kumi(1919-1996)
●題名:Petit Lac
●サイズ:300x193mm
●技法:Lithograph
●限定:100
●紙質:BFK Rives
●発行:Galerie Brusberg, Hannover
●印刷:Desjobert, Paris
●制作年:1965
●目録番号:114
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by galleria-iska | 2012-08-15 18:41 | その他 | Comments(0)


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