ガレリア・イスカ通信

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2012年 10月 16日

エルヴェ・ディ・ローザのポスター「Concerto Media」(1984)

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メディア協奏曲(Concerto Media)”と題し、様々な情報を発信するメディアに取り囲まれた世界を、過激でキッチュな画面で表現したのは、“フィギュラシオン・リーヴル(Figuration Libre)”という、1980年代初頭にアメリカのバッド・ペインティング(Bad Painting)と呼応するようにフランスに現れ、鮮烈な色彩を用い、漫画のようなスタイルで制作する具象絵画運動のメンバーのひとり、エルヴェ・ディ・ローザ(Hervé Di Rosa, 1959-)である。ディ・ローザがこのポスターを制作したのは1984年であるが、そのときディ・ローザは若干25歳の青年で、アメリカのグラフィティを代表する作家キース・ヘリング(keith Haring, 1958-1990)やジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat, 1960-1988)と同年輩であり、互いにニューヨークとパリを行き交い交流を深めることとなる。

ディ・ローザはこの年、フランスとアメリカから1980年代に頭角を現した作家が5人づつ参加しパリ市近代美術館(Musée d’Art Moderne de la Ville de Paris)で開催された「5/5 Figuration Libre, France-USA」(註:1)展に参加、運動のメンバーであるロベール・コンバス(Robert Combas、1957)、レミ・ブランシャール(Rémi Blanchard, 1958-)、フランソワ・ボワスロン(François Boisrond, 1959-)らと美術館の壁に直接作品を描いている。一方アメリカからはヘリングを始め、バスキア、ケニー・シャーフ(Kenny Scharf.1958-)らが参加、この運動が全盛期を迎える中、ディ・ローザは、ヘリングのポップショップに先立ち、弟のバディことリシャール・ディ・ローザ(Richard Di Rosa, 1963-)とパリのボーブール通りに"Art Modeste(質素な芸術)"というブティックをオープン、自分たちの作品のキャラクターを商品化したフィギュアやグッズを販売することで、アートが音楽やダンスと同じ地平で捉えられ、若者文化の一部を形成するのに一役買う。そしてディ・ローザのブティックに刺激を受けたであろうヘリングが1986年、ソーホーにポップ・ショップをオープンすると、その翌年、今度は、弟らとディロサール(Dirosàrl)を設立、ルナール通りにキャラクター商品(フィギュア、ティーシャツ、時計、ノートブック、皿など)の販売行なうディ・ローザ・ブチィックをオープンする。

●作家:Hervé Di Rosa(1959-)
●種類:Poster
●技法:Lithograph
●サイズ:703x918mm
●発行:unknown
●制作年:1984
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註:
1.
参加アーティスト:
フランス側:Remi Blanchard, François Boisrond, Robert Combas, Hervé et Richard Di Rosa, Louis Jammes
アメリカ側:,Jean-Michel Basquiat, Crash, Keith Haring, Tseng Kwong Chi, Kenny Scharf.
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by galleria-iska | 2012-10-16 10:59 | ポスター/メイラー | Comments(0)


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