ガレリア・イスカ通信

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2013年 01月 19日

マン・レイのポスター「Man Ray 40 Rayographies」(1972)

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1972年、写真家マン・レイ(Man Ray, 1890-1976)の強い勧めで、フレッド・フィッシャー(Fred Fisher)、フィリップ・クライン(Philippe Klein)と共に、ダダ、シュルレアリスム、ポップ・アート、ハイパーリアリズムという四つの芸術運動を柱とする画廊「Galerie des 4 Mouvements」を開廊したマルセル・フレイス(Marcel Fleiss, 1934-)(註1)。彼が最初に企画したのは、マン・レイの個展「Man Ray 40 Rayographies」で、マン・レイが1921年から30年にかけて制作した40点のレイヨグラフを展示するものであった。このポスターはその告知用に作られたもので、同じイメージを表紙に用いた図録も作られている。詳しい事情は、先日、『マン・レイのパリ 1972年』展を企画・開催された、“マン・レイになってしまった人”こと石原輝雄氏のブログ「マン・レイと余白で」をご覧いただきたい。

●作家:Man Ray(1890-1976)
●種類:Poster
●サイズ:599x400mm
●技法:Offset + lithograph
●発行:Galerie des 4 Mouvements, Paris
●印刷:Steff Imp., Paris
●制作年:1972
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                         図録の表紙


註:
1.1972年から1976年まで「Galerie des 4 Mouvements」の共同経営者、1981年からは「Galerie 1900-2000」の経営者となったマルセル・フレイスは1934年、パリに生まれる。フレイス一家はナチスが政権を掌握した1933年にフランスに逃れてきた裕福なユダヤ系ドイツ人で、1940年のナチス・ドイツのフランス侵攻の際にはブラジルに逃れた。少年時代を平穏なブラジルで過ごしたフレイスは、戦後、家族と共にフランスに戻る。15才のときジャズに興味を持ち、すぐに最先端のアメリカのジャズに没頭する。毛皮商であった父親の仕事の関係で、18才のときにニューヨークに渡り、時を置かずして有名なジャズクラブ“バードランド”や“ブルーノート”、また“アポロ・シアター“などの常連となり、そこに出演していたビバップを代表するジャズ演奏家(チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、バド・パウエル等)たちの写真を撮影する機会を得る。彼らと友人となってからは、彼らがヨーロッパで演奏する機会を探すのを手伝い、また、1935年に創刊されたフランスのジャズ専門誌「Jazz Hot」にフランスで最初のチャールズ・ミンガス、ジジ・グライス、ジーン・アモンズらに関する記事を書き、彼らにヨーロッパのジャズファンを紹介した。しばしの自由を愉しんだ後、現実の生活に引き戻されるが、毛皮の競りの場所と近いことを幸いにドルオーに毎日のように通うことになる。彼は、セーヌ通りの画廊に寄託していたナイーフアートの絵画を買う質屋を画商と思い、簡単に出来そうな仕事だと思った、と冗談交じりに語っている。ドルオーで、彼にシュルレアリスムを紹介したフレッド・フィッシャー(Fred Fisher)に共感し、もうひとりの重要な人物との出会う。マン・レイ(Man Ray, 1890-1976)である。マン・レイは彼に画廊を開くよう強く勧める。



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by galleria-iska | 2013-01-19 20:13 | ポスター/メイラー | Comments(2)
Commented by マン・レイ・イスト at 2013-01-21 20:37 x
今回も楽しく拝見させて頂きました。マルセルが1934年生まれということは、御年79歳ですね。画廊で声を掛ければよかったと思います(本当に残念)。それにしても、このカタログの限定版に付いたオリジナル作品(レイヨグラフの複写ですけど)も、高くなって、サラリーマンコレクターではどうにもなりませんね(涙)
Commented by galleria-iska at 2013-01-22 23:53
こんばんは。マン・レイ・イスト様、いつもコメントありがとうございます。80歳を前にして画廊を続けていられるのは、判断力や決断力が落ちていないからかもしれません。それに比べ、いいと思っていても、なかなか決断できず、何度もチャンスを逃してしまう自分は...


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