ガレリア・イスカ通信

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2013年 03月 05日

平和のワイン「Fernand Botero」(2007)

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昨年齢80歳を迎えた南米コロンビアを代表する画家で彫刻家のフェルナンド・ボテロ(Fernando Botero, 1939-)の日本で初めての展覧会は、1981年の6月から8月にかけて池袋の西部美術館で開催された「ボテロ展-陽性のファンタジー」である。この展覧会には、1960年から1980年にかけて制作された油彩画、素描,彫刻合わせて65点が出展され、日本で初めてボテロ芸術の概要を知る機会となった。入場はしなかったが、駅に通じる通路には数多くのポスターが掲示され、ふくよかなフォルムで描かれた作品に目を奪われ、思わず足を止めて見入った覚えがある。この展覧会のポスターは海外でも人気があったみたいで、幾つかの業者の販売カタログに他の美術館やギャラリーのポスターと並んで掲載されていたように記憶する。ボテロの日本への紹介は、この展覧会より10年ほど早い1972年の『みずゑ』812号に掲載された詩人で美術評論家の日向あき子(本名:坪井富美子、1930-2002)の「フェルナンド・ボテロ-楽園願望への志向」という作家論であったようで、ボテロの作品ついて次ぎのように述べている。
異様に充満したフォルムの人物や生物が描かれたボテロの絵画の世界には、ポップアートもシュールレアリズムも、アンリ・ルッソーもルネ・マグリットも、スペイン風肖像画やエル・グレコ、ルーベンスもフランドル派もある。しかし、何よりも支配的なのは南米的な田舎っぽい空気である。そこにはプレ・コロンビア、スパニッシュ・コロニアルの風土にルーツをもつボテロの楽園願望の志向が見られ、官能性とユーモア、諷刺に満ちた彼の絵画は、荒漠とした現代の機械文明の世界に対して鋭い諷刺となっている

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                         「ボテロ展-陽性のファンタジー」のポスター
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                           同展の図録表紙

その後、幾つか展覧会が企画され、2004年に恵比寿ガーデンプレイスで開催された『ボテロ野外彫刻展(Botero at Ebisu)』 は、彫刻家としての評価を反映したものと言え、そのユーモラスな作風によって、都市の生活に潤いを与えた。そのボテロが2007年の“平和のワイン(Vino della Pace)”のラベル(エティケット)に登場した。ここでは画家としてのボテロの出番で、パンとスープとワインが並べられた食卓につき、うまそうにパンを頬張る自身の姿を描いた作品を提供している。

●作家:Fernando Botero(1932-)
●種類:label(英),etiquetta(伊),etiquette(仏)
●サイズ:130x190mm
●技法:Lithograph + embossing
●発行:Cantina Produttori Cormons
●制作年:2007
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by galleria-iska | 2013-03-05 19:08 | ヴィーノ・デッラ・パーチェ | Comments(0)


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