ガレリア・イスカ通信

galleriska.exblog.jp
ブログトップ
2013年 06月 08日

パウル・ヴンダーリッヒのリトグラフ「Der geflügelte Nike」(1977)

a0155815_19583989.jpg


東京町田市にある国際版画美術館のサイトを見ていたら、ミニ企画ではあるが、6月19日から9月23日までの長期に渡り、パウル・ヴンダーリッヒ(Paul Wunderlich, 1927-2010)の1960年代から70年代の版画作品約40点による展覧会が開催されるとの告知が出ていた。ヴンダーリッヒはエロスを主題に多くの作品を制作した作家であるが、急激な価格の変化もあってか、近年作品を扱う画廊が減ったように思われる。そのため、まとまった量を目にする機会が無く、寂しい気がしていたのだが、そんな中での企画で、ヴンダーリッヒの作品のファンのひとりとして嬉しく思えた。確かこの美術館はヴンダーリッヒの数少ない挿絵本のひとつ「ソロモンの雅歌」を所蔵していたと思うが、出品作品のひとつに加えられるのは間違いないであろう。出品作品リストの公開が待たれる。

今回取り上げるのは、1977年にドイツのフォルカー・フーヴァー出版(Edition Volker Huber)から刊行された三枚組みの版画集「女達(Les Femmes)」所収の、ギリシャ神話に登場する勝利の女神ニーケーを主題にした「翼のあるニケ(Der geflügelte Nike )」という作品で、二十年ほど前に、ヴンダーリッヒ氏から氏の版画展を企画したことへの謝礼として頂いたもの。この作品は、1975年に制作された彫刻「Keine Nike(小さなニケ)」とリトグラフ「Der goldene Engel(金色の天使)」の延長線上にあり、両者を足して二で割ったような作品と言ってもよい。この作品が欲しくて、フォルカー・フーヴァー出版から版画集を購入したのだが、肝心の「翼のあるニケ」を人に譲ってしまい、ずっと歯抜けになっていた。そんなことは知る由もないヴンダーリッヒ氏が、この作品を選び、作家手持分(e.a.)の中の一枚に献辞を入れ贈って下さったのである。何という僥倖。感激も一入であったのは云うまでもない。

●作家:Paul Wunderlich(1927-2010)
●種類:Lithograph + rainbow printing(Irisdruck)
●題名:「Der geflügelte Nike」 from the portfolio《Les Femmes》
●サイズ:400x310mm
●限定:3000+15 e.a.
●発行:Edition Volker Huber, Offenbach am Main
●印刷:Matthieu Dielsdorf, Zürich
●制作年:1977
a0155815_13531970.jpg
版画集「Les Femmes」のポートフォリオ
a0155815_2034257.jpg

a0155815_20425223.jpg
「Torso(トルソ)」from the portfolio《Les Femmes》
a0155815_2037195.jpg
「Mit dem Gesicht zur Wand(壁に顔を向けて)」from the portfolio《Les Femmes》
[PR]

by galleria-iska | 2013-06-08 16:42 | その他 | Comments(0)


<< キース・へリングのタンクトップ...      キース・ヘリングのカバー・アー... >>