ガレリア・イスカ通信

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2013年 10月 12日

ドゴン族の彫刻術「Dogon Statuary」(1995)

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マリ共和国のニジェール川流域のバンディアガラの断崖で農耕を営むとされるドゴン族。外界との距離を置きその独自性を保っていたが、テレビ番組でその特異な社会制度や文化が取り上げられたりして、西欧社会との接触が増えるに従い、なかば観光地化されてしまったように思われる。昨今は日本のテレビや観光客も少なからず訪れているようであるが、物珍しさも手伝って、どこか自然公園で動物を観察するのにも似ていなくもない。とは言え、動物と違って意思の疎通が可能であるため、そこに何らかの利益の交換という図式が生まれ、生活の向上を求め観光客目当てのお土産屋も現れることとなる。結果、神話世界の精神性が序々に失われていくこととなるが、似たような事例はどこにでも転がっている。ドゴン族の木彫についても、20世紀初頭のパリでアフリカの彫刻が人気を博し、西欧人によって収集し尽くされた他のアフリカの原始彫刻と同じように、神話世界の表象としての意味が解かれ、通貨的な交換物として土産屋に並ぶようになる。つまり模倣が始まるのである。そして模倣はマンネリを生み、退廃し、失せていく運命にあるが、ときに回帰を生み出し、革新的な存在によって復興を遂げる場合もある。

そのドゴン族や他の部族がそれぞれの世界を成立させ自立した社会を保っていた頃に作られた木彫を調査、その様式や技法を体系的に分類する研究の成果として著された大著がフランスのストラスブールの出版社Éditions Amez,から1995年に刊行された。その前年に出版予約の案内がどこからか舞い込み、1200フランという高価なものであったが、ドゴン族の木彫をコレクションしているという現代美術のリチャード・セラ(Richard Serra )とゲオルグ・バゼリッツ(Georg Baselitz)が、自らの作品の関連性についてコメントを載せてているとの紹介に釣られて予約購入した。ただ如何せん立体音痴のため、なかなかその魅力を見い出せないでいる。

●題名:Dogon Statuary
●著者:Hélène Leloup
●種類:Sculpture
●サイズ:332x223x47mm
●技法:Photoengraving
●発行:Éditions Amez, Strasbourg
●制作年:1994~1995
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by galleria-iska | 2013-10-12 13:08 | その他 | Comments(0)


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