ガレリア・イスカ通信

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2013年 12月 04日

フェルナン・レジェの案内状「Galerie Louis Carré」(1954)

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フェルナン・レジェ(Fernand Léger, 1881-1955)と言えば、太い輪郭線による単純なフォルムと明快な色彩を特徴とするスタイルで現代美術にも大きな影響を与えたフランスの画家であるが、そのレジェがムルロー工房を主宰するフェルナン・ムルローを勧めでリトグラフの制作を始めるのは、戦後間もない1947年のことである。リトポスターの制作はそれよりも早く、レジェがナチス・ドイツ軍のフランス侵攻を避けてアメリカに亡命する1940年にパリのルイ・カレ画廊(Galerie Louis Carré)で行なった個展の告知用ポスターをムルロー工房が制作、レジェをリトグラフの制作に向わせる糸口が開かれる。その後、ムルロー工房は1969年までフランスで行なわれたレジェの展覧会の告知用ポスターの殆んどを手掛けることになるのだが、その中でオリジナル・ポスターと言えるのは、レジェが1951年にパリの《Maison de la Pensée Française》で行なった個展の際に建設労働者をモチーフにデザインしたポスターが唯一のものである。その他のものにはガッシュなどの作品が用いられており、告知用のポスターと並行してレジェが署名を入れたエスタンプと呼ばれる複製版画も同時に作られている。ムルロー工房がレジェのポスターを手掛けることになったのは、ムルロー工房は戦前から国立美術館のポスターの制作を一手に引き受けており、その評判が画廊にも届くようになったからである。

ここで取り上げるのは、レジェが晩年の1954年に契約画廊のルイ・カレ画廊で行なった個展「レジェ作品における風景画(Le Paysage dans l'oeuvre de Léger)」の際に作られた案内状である。表紙のカットはレジェによるもの。案内状に付けられた出品目録によると、この個展には1905年から1953年までに制作された26点の絵画作品が出品されている。ルイ・カレ画廊は、グリス、クレー、マチス、ピカソ、そしてレジェなど二十世紀美術の錚々たる画家の展覧会を企画したルイ・カレ(Louis Carré, 1897-1977)が1938年にパリ8区のメシーヌ通り10番地(10 avenue de Messine, Paris 8)に開いた画廊で、1980年代にはエルヴェ・ディ・ローザ、フランソワ・ボワスロン、ロベルト・コンバスといったフィギュラシオン・リーブルの作家と契約、現在も同じ場所で活動を続けている老舗画廊である。

●作家:Fernand Léger(1881-1955)
●種類:Annoucement
●サイズ:270x190mm(270x380mm)
●技法:Lithograph(?)
●発行:Galerie Louis Carré, Paris
●制作年:1954
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図版:同展の告知用ポスター、制作年:1954、サイズ:580x430mm、印刷:ムルロー工房

参考文献:
図録「ムルロ工房リトグラフ展-リトグラフ50年の歩み」株式会社西武百貨店美術部、1984年
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by galleria-iska | 2013-12-04 18:19 | 案内状/招待状関係 | Comments(0)


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