ガレリア・イスカ通信

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2014年 01月 11日

キース・ヘリングのスケートボード「Skateboard(2)」(1986)

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キース・ヘリング(Keith Haring, 1958-1990)がポップショップ用にデザインしたスケートボード・デッキ(Skateboard deck)。死の象徴である骸骨の頭から生えた二匹の大蛇が如きドラゴンに喰われたり業火に焼かれる姿を描いたこの作品、デッキの上部には死に囚われた人間の霊魂が肉体を離れる姿が描かれ、デッキ下部には、ヘリングの出自を仄めかすピューリタンの墓に描かれる“翼を持つ頭蓋骨”が描かれていることから、天国、地獄、そして魂の救済を表したキリスト教な図像とも取れるが、“自分は死すべきものである”ことを思い起こさせるための警句として使われるメメント・モリ(Memento Mori)をモチーフにしているのではないかと思われる。そしてそれはペストの流行による死の恐怖を前に人々が半狂乱になって踊り続けるという中世ヨーロッパの死生観を示した寓話『死の舞踏(La Danse Macabre)』のように、当時、死の病とされたエイズと隣り合わせで生きる現代人の恐怖を背景にしたヘリング自身の偽らざる心境(死生観)を反映したものであり、数年後に自らに訪れる運命を予感しているかのようでもある。

ストリート・カルチャーを代表するスケートボードのデッキの裏側に描かれたこの図像、乗り手がジャンプしたほんの一瞬だけ見えるのだが、その刹那、生と死はいつも隣り合わせであることを思い起こさせる“死を思え”が示されるのである。

このイメージを用いたクラシックタイプのデッキも存在しているが、詳細についは不明である。

●作家:Keith Haring(1958-1990)
●種類:Skateboard
●サイズ:790x200mm
●技法:Silkscreen
●発行:Kieth Haring
●制作年:1986
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by galleria-iska | 2014-01-11 12:07 | キース・へリング関係 | Comments(0)


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