ガレリア・イスカ通信

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2014年 01月 14日

ホルスト・ヤンセンの絵草子「Laatzen's Bilderbogen: 2 Folge:Bogen II 1(2)」(1967)

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新年早々、幸先が良いのか、無駄な出費なのか分からないが、先日このブログで取り上げたホルスト・ヤンセンの絵草子「Laatzen's Bilderbogen: 2 Folge:Bogen II 1」の実物が手に入った。18世紀ドイツの科学者ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルク(Georg Christoph Lichtenberg, 1742-1799)の肖像を描いたものかと思われるが、大胆にデフォルメされているため、容易に判断しかねる複雑に込み入った画面は、様々な動植物や果物、本などを寄せ集めて描いた肖像画で知られるマニエリスムの画家ジュゼッペ・アルチンボルドやその影響を受けたかもしれない寄せ絵を描いた江戸時代末期の浮世絵師、歌川国芳からインスピレーションを得たのであろうか、時間を掛けて仔細に観察しないと何が描かれているのか見えてきそうもない。そこにキュビスムで導入された文字の記入が加わり、判じ絵的な様相も見せている。画面左端のリヒテンベルクと向き合う人物は、リヒテンベルクの論敵となった18世紀スイスの牧師で観相学を唱えたヨハン・カスパー・ラファーター(Johann Caspar Lavater, 1741-1801)であろう。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Bilderbogen
●題名:Laatzen's Bilderbogen: 2 Folge:Bogen II 1
●サイズ:637x444mm
●技法:Strichätzung(Zinkätzung)
●限定:1000
●発行:Hermann Laatzen, Hamburg
●刷り:Hans Christians, Hamburg
●制作年月日:15.8、1967
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画面下にはヤンセン自身の手による作品に関する説明書きに加え、画面右下に当たる部分には、シリーズ名、限定部数(1000)、価格(DM 5.00)、技法、次回作(2.Folge L.B.B.=G.C.Lichtenberg über Physioc(g)nomik)、版元など、シリーズに関する出版案内が記されている。技法について言えば、ヤンセンの絵草子はハンブルクにある印刷所ハンス・クリスチャンズで亜鉛版エッチング(Strichätzung)で印刷されているのだが、現在は勿論、出版当時でもリトグラフと表記する業者が多かったためか、ヤンセンは敢えて"リトグラフではない(ist Keine Litho)"との但し書きを入れている。
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                      ヤンセンの自画像部分

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        図版:ラファーター(左)とリヒテンベルク(右)の肖像画
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by galleria-iska | 2014-01-14 18:36 | ホルスト・ヤンセン関係 | Comments(0)


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