ガレリア・イスカ通信

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2014年 06月 05日

キース・ヘリングの紙袋「Pop Shop Paper Bag(Yellow, Large)」(1986)

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少し前にキース・ヘリング(Keith Haring, 1958-1990)のポップ・ショップで使われていた“黄色の紙袋”(ミディアムサイズ)を取り上げたが、今回、運良くラージサイズのものが手に入った。前にも書いたが、ミディアムサイズものは、イメージ部分が小さく、紙袋を空間と見た場合、バランスを欠いているように思えたのだが、ラージサイズの方は、白い紙袋と同じような比率となっており、黄色の紙袋全体の問題ではなかったようだ。そもそも紙袋は宣伝を兼ねた消耗品として使われたものであるから、商品と比べれば、若干雑になっても仕方のないことかもしれない。ただ、染色と色インクによる印刷がなされた黄色の紙袋は、コスト的には、例えばピンバッジ一個に一枚では割に合わない場合も出てくるのではないだろうか。その辺も白い紙袋への変更の要因のひとつとなったかもしれない、と勝手に推測するのだが。

そのへんの事情はさて置き、今ではその役割を終え、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol, 1928-1987)が1966年にボストンの現代美術館(The Institute of Contemporary Art)での展覧会の際に告知用のポスターとして制作したキャンベルスープ缶のイメージを刷り込んだショッピングバッグ(Campbell's Soup Can on Shopping Bag 1966)と同じように、紙袋をひとつのマルティプル・アートとして見ることが出来る。コレクターにとってはその評価の行方も気になるところであろう。ウォーホルのショッピングバッグについて云えば、マルティプル・アートが未だ一般に浸透していなかった1980年代の前半はまだ5ドルほどで手に入れることが出来たのだが、今では2000ドルは下らない。その段で云えば、現在10ドルぐらいで手に入るこの紙袋もいずれ...と、つい欲の皮が突っ張ってしまうが、今でもこんな低予算でヘリングのオリジナルを手に入れることが出来るのだから、アートを気軽に手元に置いて愉しむという、へリングの意志を尊重するなら放っておく手はない。是非お勧めしたい。

●作家:Keith Haring(1958-1990)
●種類:Paper bag
●サイズ:390x303mm
●技法:Silkscreen
●発行:Keith Haring
●制作年:1986
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Pop Shop Paper Bag(Yellow, Medium), 1986
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by galleria-iska | 2014-06-05 18:25 | キース・へリング関係 | Comments(0)


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