ガレリア・イスカ通信

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2014年 12月 10日

フリードリヒ・メクセペル版画回顧展の招待状「Meckseper Print Retrospective」(1990)

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1990年はドイツの画家兼版画家フリードリヒ・メクセペル(Friedrich Meckseper, 1936-)にとって実り多い年だったと言えるかもしれない。この年、メクセペルは、“土佐和紙”の生産で知られる高知県で、“土佐和紙”と版画文化の発展を願って開催された第1回高知国際版画トリエンナーレ展(The First Kochi International Triennial Exhibition of Prints) にエッチング作品「講堂(Auditorium, 1987)」を出品、準大賞(The 1st Prize)を受賞し、スイスはジュネーヴのパトリック・クラメール画廊(Galerie Patrick Cramer, Geneva)から受賞作を表紙に用いたエッチングのカタログ・レゾネ『フリードリヒ・メクセペル - エッチング1956-1990(Fridrich Meckseper - Radierungen 1956-1990)』を出版している。そしてその年の12月には、カタログ・レゾネの出版に関連して、ニューヨーク市の契約画廊フィッチ=フェブレル画廊(Fitch-Febvrel Gallery)で版画の回顧展を開催、内覧会に出席している。これはその招待状である。表紙は1974年に制作された「時計(Uhr)」という作品。

個人的なことを言えば、メクセペルという作家は田舎暮らしの自分には縁遠い作家のひとりで、版画専門誌の『版画藝術』に掲載される記事や広告でしか作品を知ることができなかった。1980年代に入ってドイツ人作家の人気に翳りが見え始めた頃、東京の某書店の展示コーナーであったように記憶するが、ようやく実物を目にすることができた。が、まだまだ手が届く価格ではなかった。

版画家になる前に機関車の技師になろうとしていたメクセペルは、内燃機関に並々ならぬ関心を持っていたようで、1974年には1913年製の本物の蒸気機関車を購入しており、後に一人乗りの蒸気船を製造している。それはエッチングを始めて間もない1956年に蒸気船、翌1957年には蒸気機関車をモチーフとする作品にも反映されているが、一時的なものに終わっている。代わりに立ち上る煙-漫画の吹き出しのようにも見えるが、画面に何かしらのインシデントが発生しており、時間軸が動いていることを観る者に告げている-への関心が1960年代から1970年代にかけて制作された作品に幾つも見られる。

●作家:Friedrich Meckseper(1936-)
●種類:Invitation
●サイズ:133x165mm(133x331mm)
●技法:Offset
●発行:Fitch-Febvrel Gallery, New York
●制作年:1990
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Galerie Patrick Cramer, Geneva, Switzerland, 1990. Hard Cover. Limited edition of 1500 copies. Folio - 317x233mm, 292 pages, Catalogue raisonné of 283 works. 297 reproductions with 189 in color.
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Cat.No.248 Audiprium, 1987.
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by galleria-iska | 2014-12-10 20:51 | 案内状/招待状関係 | Comments(0)


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