ガレリア・イスカ通信

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2015年 06月 26日

デイヴィッド・ホックニーのポスター案内「David Hockney Posters」(1982?)

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先々週、パソコンから突然変な音が鳴り始め、終了と同時にウインドウズXPが昇天してしまった。過去5年間に撮り溜めてきた写真画像や作品資料が入っているので、あれこれ回復を試みたが、全てうまくいかず諦めるしかなかった。ウインドウズ98とMeという、お蔵入りに近い二台のパソコンが未だ動いているので、すぐには壊れまいと思っていたのだが、甘かった。画像や資料の一部は古いパソコンに保管してあるので助かったが、また一から積み上げていくのはしんどい。壊れたのはウインドウズ・ビスタであったものをウインドウズXPにダウングレードしたものだったが、最近はインターネット・エクスプローラー8では開かないページが増えてきたので、付属のリカバリー・デイスクを使ってOSをウインドウズ・ビスタに戻した。結果、5年間累積されていた更新プログラムが毎日、山のように送られてきて、インストールの終了を待つ日々が続いている。それに加え、インターネット・エクスプローラーの言語パックがインストールされず、メニューやステータスバーが英語表示になってしまい、それを直そうとサポートに紹介されている方法をいろいろ試してみたがうまくいかず、5分もあれば済むところを、何日も掛かってしまった。

そんな状況なので、調べたいことがあっても、現物に当たるしかなく、海外の業者から送られてきた販売カタログを引っ掻き回していたら、30年以上も前にロンドンの出版社ピーターズ・バーグ・プレス社から送られてきた同社発行のデイヴィッド・ホックニー(David Hockney,1937-)のポスターの案内が出てきた。当時、机の上に置いて毎日のように眺めていたので、縁は擦り切れ、折り目は裂けてしまっていた。そこを透明なテープで補修をし、資料用の写真を撮った。案内には1969年から1981年にかけて発行された14点のポスターがカラー図版入りで紹介されている。このブログで取り上げた#1,5,9,10以外にも取り寄せたものがあったが、友人や知人に譲ってしまった。中でも評判の良かった1973年に制作された“天候シリーズ(The Weather Series)”の中の一点「Sun」を用いた「David Hockney prints 1954-77」(#12)は、連れ合いの友人の新築祝いになった。洋風の建物だったので、気に入ってくれるものとばかり思っていたが、日本画の方が好みだったようで、部屋の隅に置いたままになっていた。おそらく粗大ごみとして葬られてしまったのではないかと思う。こんなふうにしてポスターの現存数は序々に減っていき、巧まずして、稀少価値を生み出すのに一役買っている。一品ものである絵画や初めから稀少性を謳っている版画とは違い、日々の生活の中で扱われるポスターや案内状は、記憶装置としての意味を持ってはいるものの、作家の創作の根幹に繋がる重要な証拠として捉えることは難しく、やはり物として消費されていくことからは免れない。その結果について、フランス文学者で古書コレクターの鹿島茂氏はその著書『子供より古書が大事と思いたい』の中で“稀覯本ほど見つけやすいという真理とはちょうど逆に、価値のない本ほど見つけにくいというのもまた真理である”と述べており、いつでも手に入いると思っているような展覧会のポスターや案内状、冊子のたぐいほど、無くなってしまったときには見付け難くなるのである。エフェメラ侮るなかれ!

●作家:David Hockney(1937-)
●種類:Leaflet
●サイズ:204x153mm(204x456mm)
●技法:Offset
●発行:Petersburg Press, London
●制作年:1982(?)
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by galleria-iska | 2015-06-26 18:22 | 図録類 | Comments(0)


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