ガレリア・イスカ通信

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2015年 11月 23日

ジャスパー・ジョーンズのポスター「Kunsthalle Bern」(1971)

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友人のロバート・ラウシェンバーグ(Robert Rauschenberg, )とともにネオダダの中心的存在であったジャスパー・ジョーンズ(Jasper Johns, 1930-)は1960年、1959年に制作した「窓の外(Out the Window)」で最初に用いた画面を水平に三分割して描く手法を再び使い、エンコースティックとコラージュによる絵画作品「2個のボールのある絵」という、殴り描きにも似た激しい筆触によって、新聞紙がコラージュされた画面を覆いつくすかのような抽象表現主義的な特徴を色濃く残す作品を制作している。この作品を特徴付けているのは、画面下に空間的なイリュージョンを排除するために描き込まれた、作品の題名、年記、それと署名である。

ジョーンズは1962年、その作品の構図をリトグラフに転用し、抽象表現主義な筆触を地とし、赤、黄、青という色の三原色を使って水平に三分割し、その上にさらに殴り書きのようなドローイングを重ねるという、同名の作品を2種類「二個のボールのある絵 I(Painting with Two Balls I)」とそのヴァリアント「Painting with Two Balla II」を制作している。

そしてそのリトグラフをシルクスクリーンに置き換えたものが今回取り上げるポスターである。このポスターは、1971年4月17日から5月29日かけて、ジョーンズが、現代美術の企画展を専門に開催するスイスのベルンにあるクンストハレ・ベルン(Kunsthalle Bern, Bern)で、1960年から1971年までに制作した132点の版画による展覧会「Jasper Johns: Graphik」を開催した際に制作したオリジナルのシルクスクリーン・ポスターで、レタリングもジョーンズ自身によるものである。ポスターの印刷は同じベルンにあるシルクスクリーン工房、アルビン・ウルドリー(Albin Uldry, Bern)行なわれている。この工房で制作されるポスターの特徴は、その多くが100x70cmのフォーマットを用いていることである。ポスター制作に先駆け、ジョーンズは自身で同じ構図の版画作品を制作しており、同じフィルムがポスターにも使われている。

●作家:Jasoer Johns(1930-)
●種類:Poster
●題名:Painting with Two Balls
●サイズ:1007x703mm
●技法:Silkscreen
●発行:Kunsthalle Bern, Bern
●印刷:Albin Uldry, Bern
●制作年:1971
●目録番号:C.H.131A
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こちらはジョーンズの版画の展覧会の図録で、1960年から1971年までの版画作品の総目録(カタログ・レゾネ)となっている。展覧会はその後、西ドイツ、オランダ、イタリアに巡回している。

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by galleria-iska | 2015-11-23 13:37 | ポスター/メイラー | Comments(0)


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