ガレリア・イスカ通信

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2015年 11月 26日

ベルナール・ビュッフェの招待状「Galerie Maurice Garnier」(1979)

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1977年にモーリス・ガルニエ画廊(Galerie Maurice Garnier, Paris)の専属画家となった20世紀フランスの画家ベルナール・ビュッフェ(Bernard Buffet, 1928-1999)は1979年、妻アナベル(Annabel Buffet)との結婚20周年の意を込めて制作した花をテーマとする作品展「Les Fleurs」を同画廊で行なっている。この招待状はそのヴェルニサージュのためにビュッフェがデザインしたもので、制作はビュッフェのリトグラフを手掛けているパリのムルロー工房(Mourlot Imp., Paris)で行なわれている。招待状は通常表紙に図版を持ってくるものだが、この招待状では、表紙にビュッフェの署名が記され、中を開くと、ビュッフェの挿絵本に見られるような配置で、左頁に愛と美の象徴である薔薇の花の絵、右頁にはビュッフェ独特の手書き文字による招待文が記載されている。

この招待状もそのひとつであるが、ビュッフェの作品だけを専門に扱う画廊となったガルニエ画廊は1977年以降、ビュッフェのオリジナル・デザインの招待状を用いるようになるのだが、招待状が届くのを楽しみしていた愛好家も少なくないはず。高価な油彩画の販売を目的とする個展の招待状は、版画、とくにリトグラフを得意とする作家にとっては格好の宣伝媒体となり、画廊もそれを奨励することで油彩画のみならず、版画にも関心を持ってもらえることになる訳であるから、一石二鳥である。受け取る側も、評論家は別として、オリジナル・デザインによる手の込んだものが送られてきたときは、画家(画商の商魂?)の意気込みを感じることが出来て、なかなか嬉しいものである。

展覧会の招待状やポスター、図録類などの二次資料は、今はエフェメラと称され、美術館でも収集に取り組むようになったが、こういうものは得てしてあまり関心のないお方のところに届くことが多いようで、その重要性が省みられないまま捨て置かれる、ということもままある。しかしながら、それらのものに愛着、美的価値、稀に資料的価値を認めた好事家の努力によって保存されてきたものが作品成立を探る大きな鍵となることもあるので、決して侮ってはならない。

●作家:Bernard Buffet(1928-1999)
●種類:Invitation
●サイズ:202x155mm(202x311mm)
●技法:Lithograph
●紙質:Arches
●印刷:Mourlot Imp., Paris
●発行:Galerie Maurice Garnier, Paris
●制作年:1979
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by galleria-iska | 2015-11-26 20:55 | 案内状/招待状関係 | Comments(0)


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