2016年 12月 02日
ワインの案内によると、シャトー・シランは、「ワインの女王」と称されるボルドーワインの生産地として知られるフランス南西部に位置するボルドーのメドック地区の南部マルゴー・アペラシオンの最南端のラバルドに位置するシャトーのひとつで、ジャンヌ・ダルクの活躍によってフランス王として戴冠式を挙げることができた中世フランス王国の王朝、ヴァロワ朝(Dynastie des Valois)の第5代国王シャルル7世(Charles VII, 1403-1461)(勝利王/ Le Victorieux,1422–1461)治世下の1428年に創設された。1859年にミアイユ家が取得して以降、ボルドーでは珍しく、150年以上に渡り同一家が所有し続けている歴史あるシャトーで、初代オーナーは、ジャポニスムの影響を受けて制作したポスターで名声を博した画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec, 1864-1901)の祖父母であるトゥールーズ・ロートレック伯爵夫妻である。クリュ・ブルジョワ級に格付けされているシャトー・シランは1980年から2005年ヴィンテージまで毎年違う画家による作品をワインラベル(étiquette de vin)に採用しており、最初のワインラベルはフランスの銅版画家アルベール・デカリス(Albert Decaris, 1901-1988)によるもので、二番目の1981年はベルギー出身の画家で彫刻家のジャン=ミシェルフォロン(Jean-Mishel Folon, 1934-2005)、三番目となる1982年はスペイン バルセロナ出身の画家、版画家、彫刻家ジョアン・ミロ(Joan Miro, 1893-1983)の作品となっている。1994年は、『ガルガンチュワ物語』と『パンタグリュエル物語』を著したフランス・ルネサンス期の人文主義者フランソワ・ラブレー(François Rabelais,1494-1553)の生誕500年の年で、ボルドー在住の銅版画家フィリップ・モーリッツ(Philippe Mohlitz, 1943-)がその物語の挿絵としてよく使われる、中世の出で立ちで酒宴を繰り広げる巨人で大食漢のパンタグリュル一行を場面を描いた銅版画が使われている。画面右側の壁にはラブレーの肖像画(註1)が掛けられている。 モーリッツはコマーシャルな仕事を殆んど引き受けたことがない作家であるが、故郷ボルドーの由緒あるシャトーの依頼ということで引き受けたのであろう。銅版画自体は表に出ていないので、このワインラベルが作品ということになる。 ●作家:Philippe Mohlitz(1943-) ●種類:Étiquette de vin ●サイズ:46x90mm(151x90mm) ●技法:Offset ●発行:Château Siran, Labarde ●制作年:1994 註: 1.
by galleria-iska
| 2016-12-02 21:58
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