2017年 06月 04日
日々の暮らしが同じことの繰り返しになってしまうと、月日があっという間に過ぎていく。今日は六月四日、虫の日とやらである。道路建設や宅地開発により居場所を失くし消えていった虫たちを供養する日ではない。虫と人間の共存を目指し、漫画家の手塚治虫(Osamu Tezuka, 1928-1989) の呼びかけで設立された日本昆虫クラブが記念日として提唱しているが、国民の関心はさして高くない。間違っても国民の代表たる国会議員が立法府である国会の場で虫の生存権を議論することはないだろう。ならばと、虫たちは人間のために鳴くのを止めてしまったに違いない。新緑の大空を自由に飛ぶ小鳥の囀りが耳に心地好い。それもいつまで続くのだろうか。 ホルスト・ヤンセン(Horst Janssen, 1929-1995)の契約画廊であるハンブルクのブロックシュテット画廊(Galerie Brockstedt, Hamburg)は、画廊設立30周年の1987年、ヤンセンの版画家としての出発点となった木版画の総目録(カタログ・レゾネ)を刊行。ヤンセンが1957年から1961年にかけて制作した多色刷り木版画作品全53点を収録。また、ヤンセンが1957年にヴァールブルク通りの自宅で開いた私的展覧会の招待状と告知用ポスター、同じ年、ブロックシュテット画廊の前身であるハノーファーの近代絵画画廊(Galerie für Moderne Kunst, Hannover)での展覧会の際に制作した招待状と告知用ポスターも併せて収録している。1960年代後半に現れる亜鉛版エッチングによるポスターを予見させる招待状は、出品目録も兼ねており、自宅での展覧会の招待状には当時の販売価格も記載されていて、興味深い。告知用の二つのポスターは、後にヤンセンのライバルとなるパウル・ヴンダーリッヒ(Paul Wunderlich, 1927-2010)の協力でリトグラフで刷られているが、摺刷数は100枚足らずと少なく、今やコレクターズアイテムとなっている。近代絵画画廊の方のポスター(註1)は以前このブログで取り上げたことがあるが、その招待状「Einladung zur Ausstellung Farbige Holzschnitte in der Galerie für Moderne Kunst, Hannover」(Vogel. 407, 211x162mm)はポスター以上に入手が難しく、もうかれこれ20年近く探しているが、未だ一度も目にしたことがない。 ●作家:Horst Janssen(1929-1995) ●種類:Catalogue Raisonne(Werkverzeichnis) ●題名:Horst Janssen Farbholzschnitte Werkverzeichnis 1957-1961 ●サイズ:285x285mm ●技法:Offset ●発行:Galerie Brockstedt, Hamburg ●制作年:1987 註: 1. ●作家:Horst Janssen(1929-1995) ●種類:Poster(Plakat) ●サイズ:966x644mm ●技法:Original color lithograph ●限定:under 100 copies ●発行:Galerie für moderne Kunst(Brockstedt), Hannover ●印刷:Artist with assistance of Paul Wunderlich ●制作年:1957 ●目録番号:Meyer-Schomann. 2
by galleria-iska
| 2017-06-04 17:53
| ホルスト・ヤンセン関係
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