ガレリア・イスカ通信

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カテゴリ:キース・へリング関係( 65 )


2010年 08月 07日

キース・へリングの招待状「Party of Life」(1986)

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キース・へリングが、1985年に建築家、磯崎新による改装で古い映画館からディスコ・クラブに変身したパラディアム(Palladium)を会場に、親しい友人や関係者を集めて行なった誕生パーティ《Keith Haring's third annual "Party of Life"》への招待状。パーティは1984年から1986年まで計三回開催され、招待客にはキース・へリング オリジナルデザインの招待状が送付された。1986年の招待状は、ショートパンツと缶バッジ2個で、入場の際には入場券の代わりに缶バッジを提示することになっていた。このデザインは同じ年に発表されたスウォッチの文字盤にも使われている。

●作家:Keith haring(1958-1990)
●種類:Invitation
●技法:Silkscreen
●発行:Keith Haring
●制作年:1986
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パーティの案内

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缶バッチ(Can badge):[サイズ]直径32mm、側面に《Keith Haring TM》

1984年から86年までの招待状は以下の通り:

第一回の1984年は、タンクトップとハンカチ
第二回の1985年は、タンクトップと缶バッジ、それとジグソーパズル。
第三回の1986年は、ショートパンツと缶バッジ二個

招待状としてはユニークな形態を取っているこれらの招待状も、その意味では“エフェメラ”の一種と考えることができる。ただメッセージの伝達という一義的な目的の他に、それぞれの“もの”としての意味も兼ね備えていることから、近い将来、マルチィプルの中に含められるのではないかと思われる。
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by galleria-iska | 2010-08-07 17:57 | キース・へリング関係 | Comments(0)
2010年 08月 02日

キース・へリングの塗り絵本「Coloring Book」(1985)

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キース・へリングの塗り絵本:オリジナル版、表表紙(Front cover)

キース・へリングがニューヨークにポップ・ショップを開く前の年に制作した塗り絵本で、出版データの記載が無いため、私家版での出版ではないかと思われる。1992年に《Fotofolio Inc.》より表紙をカラーにしたトレード・エディション「The Keith Haring Coloring Book:ISBN: 1881270513 / 1-881270-51-3」が出版されている。この絵本の続編となる「Kieth Haring's Fun Book」が、同じ1985年に、フランスのボルドー現代美術館(CAPC、 Musée d'art contemporain de Bordeaux )から限定2000部で発行されており、1992年には追悼版として第二版(限定1500部)が発行されている。

●作家:Keith Haring, 1958-1990
●種類:Book
●題名:Coloring Book
●サイズ:304x304mm
●出版:Private edition
●制作年:1985


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裏表紙(Back cover)
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by galleria-iska | 2010-08-02 22:25 | キース・へリング関係 | Comments(0)
2010年 08月 01日

キース・へリングのステッカー「Le Mans 84」(1984)

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1984年のル・マン24時間(耐久)レース(24 heures du Mans )には、当時若干26才のキース・ヘリング(Keith Haring, 1958-1990)と同年輩のフランス人画家フランソワ・ボワロン(François Boisrond, 1959-)が、アーティスト・イン・レジデンス(Artist-in-residence)として招聘され、公式ポスター、ティーシャツ、ステッカー、バッジのためのデザインと、レース中に会場で子供用の車に即興ペイントを行なっている。へリングの公式ポスターはネット上で見ただけだが、フランスの映画ポスターなどに使われる大型のフォーマット(120x160cm)で作られており、かなりの迫力であったと思われる。ステッカーも同じ構図で作られているが、背景色が赤からピンクに変更され、黄色も幾分薄くなっている。

●作家:Keith Haring(1958-1990)
●種類:Sticker
●題名:Le Mans 84
●サイズ:114x135mm
●技法:Silkscreen
●制作年:1984

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図版:キース・へリングのシルクスクリーンポスター「Le Mans 84」
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by galleria-iska | 2010-08-01 20:51 | キース・へリング関係 | Comments(0)
2010年 07月 31日

キース・へリングのステッカー「Pop Shop」(1985)

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キース・へリングが芸術の逆説的提示として始めたポップ・ショップ、そのオープンに際しデザインしたトレードマークは、1966年にロイ・リキテンスタインが「ニューズウィーク」誌の表紙絵として描いた、爆発とPop!の文字の組み合わせによる『POP!』を直接的なインスピレーションとしつつ、リチャード・ハミルトンが1956年に制作したポップアートの源泉とも言われるコラージュ『Just what is it that makes our today's homes so different,so appealing』に精神的な感応を示している、と書いてみたものの、実際はどうなのであろうか。《Pop Shop》の文字は五芒星と呼ばれる守護の意味や星を示す図形の中に書き込まれている。へリングとの接点はないが、自然が創り上げた秩序とか調和を示す五芒星とそれを内接する正五角形に大きな関心を持っていたのが版画家の長谷川潔である。このステッカーでは、トレードマークを頭部に乗せた人物が描かれており、その胸に付けられ記号を“エックス”と見るか、“十字”と見るかによって、この人物が意味するものが異なってくる。ひとつはそれがキリスト的なものの表象として,もうひとつは自らが“ポップスター”になることへの意志の顕れとするものだが、へリングは、それを曖昧にすることで、二つの意味を同時に表現しようとしていたのではないかと思われる。そしてへリングは、このロゴマークを、ポップショップのイメージキャラター、つまりアイコンとしてシンボライズすることによってイメージの浸透性をさらに高めようとしている。図像はチープなステッカーや商品を入れる紙袋、バッジ、ビニールバッグなどに大量に刷り込まれた、ポップアートの土壌となった大量生産・大量消費へとアートを還元し、その精神を循環させる一方、その心の奥底には、何かしら伝道的な気持ちが込められていたのではないかとも思える。

●作家:Keith Haring(1958-1991)
●種類:Sticker
●題名:Pop Shop
●サイズ:127x114mm
●技法:Silkscreen
●発行:Pop Shop, New York
●制作年:1985



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by galleria-iska | 2010-07-31 22:17 | キース・へリング関係 | Comments(0)
2010年 03月 07日

キース・へリングのステッカー「3-Eyed Face」(1982)

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ニューヨークのストリートカルチャーを背景にしたグラフィティ(graffiti)にアートの新しい文脈を発見したキース・へリング(Keith Haring 1958-1990)がトニー・シャフラジの新しい画廊で初の個展を開催した際、個展の図録表紙と同じ“三つ目の顔”を使い制作したステッカー。三つ目の顔が最初に登場するのは1981年頃の絵画作品の中ですが、同じ年に陽気な表情の“二つ目の顔”も描かれており、先ず二つ目の顔が描かれた後に、更に見えない力の存在を示すもう一つの目を加えた顔に発展(アイコン化)したのではないかと思われる。そしてそれはへリングが1982年に“Houston Street & the Bowery"にある野外の壁に描いた、今は無くなってしまった壁画「Untitled」に描き込まれた時には、人間の側にあって、明らかに何らかの啓示力を備えた存在を想起させる聖像=アイコンとしての意味を持って描かれている。従って三つ目の顔のステッカーは、それが貼られることによってそこにある物や人の存在に何らかの変化をもたらすのですが、それが周囲から際立った存在であるためには、かつて聖人たちがそうであったように、自ら輝く存在であることが重要で、そのため印刷には自ら発光する作用を持った蛍光性のインクが使われています。ステッカーは個展の来場者たちに配られたほか、当日頒布された図録にも挟み込まれました。以下、キース・へリング自身が認可したバイオグラフィーから個展のオープニングの様子を記した箇所を抜粋(該当箇所に下線):

By this time, I had become really skilled at hanging a show. CBS-TV asked to come and tape me preparing for it, filming as I complete a big painting, covering the opening, and this is to be shown on the "CBS Evening News" with Dan Rather! Well, the opening was incredible. That night, there were thousands of people-everybody I knew from the club scene, the art scene, and the graffiti scene was there. It was this big mix-match of people, which had really never existed at a gallery And all these artists came! There was Roy Lichtenstein and Bob Rauschenberg and Sol Lewitt and Richard Serra and Francesco Clemente. I had people hand out stickers of my 3-Eyed Face, which had become a sort of icon-and people were sticking it all over each other. And I gave away posters and buttons-there was a real party atmosphere.(John Gruen, Keith Haring: the Authorized Biography, New York 1991, pp. 86)

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        図版:Keith Haring「Untitled,1981」         図版:Keith Haring「Untitled 1982」

●作家:Keith Haring (1958-1990)
●種類:Sticker
●題名:Three-eyed(Smiling) Face
●サイズ:91x96mm
●技法:Silkscreen
●制作年:1982

キース・ヘリング財団(The keith Haring Foundation)が行なっている取り組みのひとつに『HaringKids Lesson Plans』があり、そのサイトでは、へリングの作品を素材に使った様々な教育的プログラムを紹介しています。そのひとつに、カナダ トロントある美術館Art Gallery of Ontarioが考案した中学生たちを対象にした美術系のプログラム《Symbols to Sculptures》では、スライドとビデオを用いて、キース・へリングが創り出した図像の形や機能を学び、二次元の図像を三次元の造形へと変形させるまでの手順を紹介しています。以下、その一部を抜粋(該当箇所に下線):

Slide Presentation (emphasis on symbols):
The slides are listed above in the Line and Expression section. In this presentation the emphasis will be on symbols and their meanings.
Ask the students what they think symbols mean? Crawling baby=life, energy, happiness. Radiating lines=energy, glowing power (originally came from the spaceships). The spaceship and pyramid are connected to an unknown force. Haring considered the 3-Eyed Face like an icon and gave stickers of it away at the opening of his art shows. Of what do the barking dogs make you think? Discuss how symbols can have different meanings in different contexts. Haring created a visual language using his symbols in two-dimensional and three-dimensional artworks.

1.Symbols and meanings
2.Chalk drawings
3.Materials (the great variety Haring used)

Video Presentation (emphasis on symbols):
The video presentation will show the students some of Haring's symbols and shapes. Before the presentation, ask the students to make a mental note of some of the symbols that Haring repeatedly used.
After the presentation, discuss the symbols. Ask the students to name an image and think what it might mean. The Radiant Baby is probably his most popular image. What do you think the baby means? Crawling baby=life, energy, happiness. Radiating lines=energy, blowing power (originally came from the spaceships). The spaceship, pyramid, baby, three-eyed face and barking dogs appear in drawings, paintings, public murals and sculptures. The spaceship and pyramid are connected to an unknown force. Haring considered the 3-Eyed Face like an icon and gave stickers of it away at the opening of his art shows. Of what do the barking dogs make you think? Haring made buttons with the barking dog and babies on them. Discuss how Haring created a visual language using his symbols.
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by galleria-iska | 2010-03-07 23:10 | キース・へリング関係 | Comments(0)