ガレリア・イスカ通信

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カテゴリ:ロバート・メイプルソープ関係( 33 )


2010年 10月 07日

ロバート・メイプルソープ展のポスター「Lucio Amelio」(1984)

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イタリアのナポリにあって、現代美術を専門に扱う画廊として名高い、ルーチョ・アメリオ画廊(Galleria Lucio Amelio)で1984年に開催されたロバート・メイプルソープ展の告知用ポスター。使われているのは1983年に撮られた「Dennis Spreight」。六本のカラーを握りしめて立つ黒人男性の肉体美とその形が修道女の襟と似ていることから付けられたとも言われる純白の清楚なイメージを持つカラー(オランダカイウ)との組み合わせは、二つの異なる美の極地という観念を持たなければ想像できなもの。

ナポリの市中に掲示されたとき、市民の反応はどうであったのだろう。そのオリジナル写真が日本のテレビに映っていたことがあるのをご存知だろうか。「メイプルソープ ~生と死のエロスを撮る」と題し、1997年3月2日に放映されたNHKの“日曜美術館”がそれである。司会者とゲストには見えるように置かれていたと思うが、テレビの画面では、その部分に装飾用の花が掛かるような演出であったと思う。カメラが回り込む込むことがあれば、終日電話のベルが鳴り止まない事態になるのかも...などと良からぬ妄想を抱き、ひとりドキドキしていたのを覚えている。が、健全なNHKの視聴者は、それがそんな写真であるとは露ほども知らず、日曜朝のひと時を過ごしていたはず。

ルーチョ・アメリオ画廊が発行する展覧会ポスターは、その多くが展覧会を開催するアーティストの手によるオリジナルデザインで、通常のポスター用紙に比べかなり厚手の上質紙に印刷されており、中にはシルクスクリーンやリトグラフといった版画の技法を用いたものもある。この画廊で展覧会を開催した現代美術を代表する作家たち-アンディ・ウォーホル、ヨーゼフ・ボイス、キース・へリング、ソル・ルィット、ミンモ・パラディーノ、サンドロ・キア-は皆こぞってポスターのデザインを手掛けており、絶版となった今では、何倍ものプレミアムが付が付くコレクターズ・アイテムとなっているものもある。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Poster
●サイズ:685x460mm
●技法:Offset
●発行:Lucio Amelio, Napoli
●制作年:1984
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by galleria-iska | 2010-10-07 15:53 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 10月 04日

ロバート・メイプルソープ展招待状「BlumHerman Gallery」(1986)

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ロバート・メイプルソープの死後、差ほど時を置かずして、1986年にサンタ・モニカに開設されたブルム・ヘルマン・ギャラリーで開催されたロバート・メイプルソープの写真展のオープニングへの招待状。使われているのはメイプルソープが亡くなる1989年に撮った「Icarus」で、メイプルソープの求める完璧なプロポーションの規範となるギリシャ彫刻。その透明で冷たいガラスのようなに磨き上げられた大理石の乳白色の地肌は、まるで人肌のような柔らかな陰影を作り出している。

メイプルソープは、イカルス像全体から、墜落するイカルスの運命を象徴するかのように、頭部から肩にかけての部分を、正方形の対角線の沿うような角度で切り取り、それを幾重にも塗り重ねて作り出す漆のような漆黒の闇と対比させるこで、イカルスが一瞬見せる悔悟を表情を浮かび上がらせている。作家としては絶頂期にあったメイプルソープは、イカルスの墜落と自らの人生を重ね合わせていたのかもしれない。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:210x185mm
●技法:Offset
●発行:BlumHelman Gallery, Santa Monica
●制作年:1986

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by galleria-iska | 2010-10-04 00:12 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 10月 03日

ロバート・メイプルソープ展招待状「Robert Miller Gallery」(1985)

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1985年にニューヨークのロバート・ミラー画廊で開催されたロバート・メイプルソープのプラチナプリントによる大型写真展のオープニングへの招待状。三つ折り。

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●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:254x201mm(254x605mm)
●技法:Offset
●発行:Robert Miller Gallery, New York
●制作年:1985
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by galleria-iska | 2010-10-03 23:41 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 10月 02日

ロバート・メイプルソープ展招待状「Robert Miller Gallery」(1987)

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1987年にロバート・ミラー・ギャラリーで開催されたロバート・メイプルソープ展のオープニングへの招待状。二つ折り。額装された状態の「Mercury」が表紙に使われている。メイプルソープは、ブラインドの前に置かれたマーキュリーの彫像を上部から意図的に強めの照明を当てて撮ることで強いコントラストのネガを作っているように思われる。そのネガから、彫像部分を覆い焼きすることで、柔らかい影の中にデリケートな諧調を生み出す一方、ブラインドの白と黒のストライプがそのデリケートな諧調を際立たせるとともに、奥行きを無くし、3D映像のように彫像を画面の前へと押し出す働きをしている。この写真は注文によって撮られたらしく、一点もので、麻布にプラチナプリントで焼かれ、紫色に染められた綿布とともに、メイプルソープの特注の黒塗りのフレームに額装されている。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:147x250mm(295x250mm)
●技法:Offset
●発行:Robert Miller Gallery, New York
●制作年:1987

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by galleria-iska | 2010-10-02 23:27 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 10月 02日

ロバート・メイプルソープ展招待状「Robert Miller Gallery」(1988)

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1988年の3月から4月にかけてロバート・ミラー・ギャラリー(Robert Miller Gallery)で行なわれたロバート・メイプルソープの写真展「New Work in Color」のオープニングへの招待状。この展覧会では、ダイトランスファー(Dye transfer print)による花のカラー写真を発表し話題となった。メイプルソープは、その絶頂期から死の匂いを放つ宿命を持つ花の形態に官能的なエロスを見い出し、それを最大限に引き出す構図を創り出したている。そこには純潔で可憐な美しさという言葉で形容される日々の生活の中にある花のイメージは無く、狂おしく抱きあう愛の一瞬が昇華された姿で投影されており、見る者は心の内にその意味を知ることになる。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:203x152mm(203x304mm)
●技法:Offset
●発行:Robert Miller Gallery, New York
●制作年:1988
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by galleria-iska | 2010-10-02 22:31 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 10月 01日

ロバート・メイプルソープ展の招待状「Galerie Pierre Huber」(1987)

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スイスのジュネーヴにあるピエール・フーバー画廊(Galerie Pierre Huber)で、1987年11月から翌88年の1月上旬にかけて行なわれたロバート・メイプルソープの写真展のヴェルニサージュへの招待状。1987年2月22日に胆嚢の手術の経過が悪く58才で急死したアンディ・ウォーホルの死の一年前の1986年に撮られた肖像写真が使われている。メイプルソープはこの写真を絹布にプラチナプリントで焼付け、それを十字形の特製フレームの中心に嵌め込んでいる。それはあたかもウォーホルというアイコンを祀るようにも見え、一時物議をかもした。トレードマークにもなった銀髪の鬘を着け、レンズを凝視するウォーホルの姿には何の演出も無く、素顔のウォーホルがそこに在るように見える。当然のことながら、この時点ではウォーホル当人に死の意識は微塵もないが、見るものが期せずしてウォーホルの肖像に何か不吉な影をみてしまうのは、1986年にエイズであることを宣告され、死への恐怖の秒読みが始まっていたメイプルソープの精神状態が、そこに投影されているに他ならない。メイプルソープの肖像写真は、被写体の人格の表象としてある通常の肖像写真とは違い、対象としての被写体の仮面を付け、そこに自己投影を行なうという、ある種のナルシズムによって画面を成立させており、ここに写し出されているウォーホル像は、自らの死の影を投影したメイプルソープ自身の自画像であるがために、結果として、ウォーホル像を死の影が纏わり付く予言的な肖像写真としてしまう結果になってしまったのである。

ウォーホルのこの肖像写真は、メイプルソープの主要な写真集には必ずといっていいくらい収録されているが、ロンドンのナショナル・ポートレイト・ギャラリーで1988年に開催されたメイプルソープの写真展「Photographs by Robert mapplethorpe 1975-87: Mapplethorpe Portraits」の際に刊行された写真集の図版が、最も正確にデリケートな光の諧調を再現しており、ウォーホルの澄んた瞳は、巷間騒がれるスキャンダラスな側面とは別の、ひ弱ではにかみやの心を映し出しているように見える。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:160x160mm
●技法:Offset
●発行:Galerie Pierre Huber, Geneva
●制作年:1987

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by galleria-iska | 2010-10-01 22:08 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 30日

ロバート・メイプルソープ展招待状「Robert Miller Gallery」

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ニューヨーク五番街に展示スペースを構えるロバート・ミラー・ギャラリーで行なわれたメイプルソープ展のオープニングへの招待状。展覧会の開催年は不明。皮製の何やら怪しげな仮面を着けた黒人の若者が壁のようなものに手を付き、こちらを見据えているのだが、その青年の身体の大部分は壁の向こう側に隠れている。しかしその壁は、写真の世界の中にあるものではなく、写真の外側にある別の空間で、壁に掛けた青年の指は、二次元の空間の中に内と外という異なる次元を共存させる役割を果たし、更には、わたし達の居る世界へと、そのイリュージョンを押し広げ、黒い縁取りが、この写真を一種の騙し絵に仕立てている。この招待状は、このまま大きなサイズに拡大すれば、インパクトのあるポスターになる。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:195x153mm
●技法:Offset
●発行:Robert Miller Gallery, New York
●制作年:(?)
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by galleria-iska | 2010-09-30 23:15 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 23日

ロバート・メイプルソープの写真「Ron Simms N.Y.C. 1980」

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ロバート・メイプルソープの1980年のユルカ画廊(Galerie Jurka)での個展の際に実物の写真(silver print)として制作されたポストカード。「Black Males」展と銘打って開催されたこの展覧会では、同画廊二冊目の写真集とポストカードサイズの写真6点を収めたミニアルバム(限定1000部)が刊行された。この写真はその中の一枚で、メイプルソープ自身によって余白部分に署名(complimentary signature)が入れられているのだが、署名用のペンを用いなかったため、かなり退色している。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●題名:Ron Simms, N.Y.C. 1980
●フォーマット:107x149mm
●イメージ:98x99mm
●技法:Silver print
●限定:1000
●出版:Edition Galerie Jurka, Amsterdam
●制作年:1980

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2016年11月28日追記:

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図版:アムステルダムのユルカ画廊で1980年に開催されたメイプルソープの写真展「Black Males」 の告知用ポスター。 515x345mm、オフセット。
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by galleria-iska | 2010-09-23 16:43 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 23日

ロバート・メイプルソープ展の招待状 「Galerie Ton Peek」(1981)

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1981年12月から翌82年1月にかけてユトレヒトのトン・ピーク画廊(Galerie Ton Peek)で行なわれたメイプルソープの写真展「Robert Mapplethorpe foto's」のオープニングへの招待状。この招待状は、印刷による複製では無く、印画紙に焼かれた実物の写真を用いており、メイプルソープの招待状の中でも珍しい。この方法は同じオランダの画廊、Galerie Jurkaにおける1980年開催の個展「Black Males」の案内状にも使われている。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●題名:Philip Prioleau,1980
●フォーマット:107x148mm
●イメージ:99x100mm
●技法:Silver print
●発行:Galerie Ton Peek, Utrecht
●制作年:1981

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個展のタイトルや日程、画廊の住所などが記載されている。印画紙を用いているため、通常の機械印刷ではなく、シルクスクリーンのような手作業の印刷方法を使っている。
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by galleria-iska | 2010-09-23 15:10 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 20日

ロバート・メイプルソープ展の案内状「Holly Solomon Gallery」(1977)

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1969年に早くも夫と共にニューヨークにオルタナティヴ・スペースを設け、パフォーマンスアートなどの実験的な試みを行なっていたホリー・ソロモン(Holly Solomon 1934-2002)は、自らがコレクションしていたラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルやリキテンスタインを始め、未だ知名度の低かったクリスト、ナム・ジュン・パイク、ウィリアム・ウェグマンなどの初期作品の展覧会を企画するようになり、1977年には二度に渡ってメイプルソープ最初期の個展である「Flowers」と「Portraits」を開催している。これは1976年に撮られた「Pan Head and Flower」を使った「Flowers」展の案内状。

性豪として名を馳せたパン(牧神)が南米の密林産のアンスリウムの花弁に軽く口を添えている写真だが、アンスリウムの「恋にもだえる心」という花言葉を知らずとも、その形体と色彩はエロティックな妄想を描き立てるに充分である。オリジナルは勿論、八セルブラッドによって撮影された正方形のフォーマットだが、案内状では、画面の左側の方が大きくトリミングされている。ギリシャ神話に登場する若き牧神というモチーフは、19世紀末から1920年代にかけてシシリー島で数多くの少年のヌード写真を撮ったヴィルヘルム・フォン・グローデン男爵の写真にそのイメージの源泉を辿ることができそうだが、グローデンの、ギリシャ時代の性への回帰ともとれる少年狂い、すなわちナルシズムへの憧憬を、ゲイとしての現実に身を置くメイプルソープは、ゲイを生来の気質として生きる自己を、より直裁に被写体に投影していたように思われる。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Annoucement
●サイズ:153x108mm
●技法:Offset
●発行:Holly Solomon Gellery Inc., New Nork
●制作年:1977

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by galleria-iska | 2010-09-20 23:22 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)