ガレリア・イスカ通信

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カテゴリ:図録類( 69 )


2012年 11月 02日

長岡国人の回顧展図録「Nagaoka Arbeiten 1969-1987」(1988)

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1966年から1991年までドイツの西ベルリンに在住し、版画家として広くヨーロッパで知られる存在となった長岡国人(Nagaoka Kunito, 1940-)氏が1988年に西ベルリンのテンペルホーフ空港(2008年閉鎖)近くにある美術館、クンストアムト・テンペルホーフ(Kunstamt Berlin-Tempelhof)で行なった回顧展の図録。銅版画の他、素描、水彩、墨絵、紙のオブジェを収録。

長岡氏は、現代美術の様々な試みが行なわれる中、西側文化のショーウインドウとも言われた東西冷戦下の西ベルリンに移り住み、板と水溶性の顔料を用いる日本の伝統的な木版画ではなく、西洋版画の古典的な技法のひとつである銅版画に深く沈潜しつつ、自己のアイデンティティの根底をなす自然環境と深く対峙する中で、活火山として溶岩による造山運動や浸食を繰り返してきた浅間山と情緒や感情を排した無機的な造形物としての人間の営みを対比させた風景を銅板に固着せしめた。

昨年、帰国後20年勤めた京都精華大を退官し、今年8月、朝来市和田山町宮内に版画工房「ヴェルク・シュタットN組」をオープンした造形作家の長岡氏は1940年、長野県佐久市生まれ。1963年に多摩美術大学デザイン科を卒業し、デザイナーの仕事を経て、1966年にベルリンに移住。1967年から1971年にかけてベルリン市立アカデミーで、デザインと版画を学び、1971年から1976年にかけてベルリン国立芸術大学で絵画と版画を専攻。1976年マイスターを取得。1977年から1980年にかけてヨーロッパの数々の版画展で受賞し、国際的に高い評価を得る。一方、日本国内では版画家としての長岡氏を紹介する展覧会は一二度しか開催されておらず、作品に対する認知度は低い。長岡氏については、同じベルリンで銅版画を制作している友人のドイツ人版画家から名前を知らされた。ベルリンのマリナ・ディンクラー画廊(Galerie Marina Dinkler Berlin )が主な取り扱い画廊で、この画廊からは1982年に、1971年から1981年かけて制作された銅版画の作品目録(Nagaoka.Werkverzeichnis der Radierungen 1971-1981)が刊行されている。

●作家:Nagaoka Kunito(1940-)
●種類:Catalogue
●サイズ:240x210mm
●技法:Offset
●発行:Kunstamt Berlin-Tempelhof, Berlin
●印刷:P.Decker, Berlin
●発行年:1998
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長岡氏が1979年に制作した「遺跡(ISEKI)」シリーズの第22作。長岡氏の主要なテーマのひとつである「遺跡(ISEKI)」シリーズは、氏の故郷にあって人々の生活に大きな影を落とす浅間山と人間社会とのせめぎ合いの中で形成された自然観を根底に制作された作品群である。

●作家:Nagaoka Kunito(1940-)
●題名:ISEKI/PY XXII, 1979
●画寸:390x490mm
●技法:Etching+Aquatint
●限定:EA:XV
●制作年:1979
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ベルリンの銅版画工房《Radierwerkstatt Schlemm, Berlin》のエンボス印
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by galleria-iska | 2012-11-02 18:19 | 図録類 | Comments(0)
2012年 09月 06日

ホルスト・アンテスの図録「ANTES」(1960)

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もうかれこれ20年以上前のことになるが、ジョアン・ミロ(Joan Miro, 1893-1983)が1960年代初頭に制作したリトグラフの連作「シリーズI」所収の「Série I, bleu et vert sur lavis rouge(Series I, blue and green on red wash)」を購入したことから、ヨーロッパにおけるアンフォルメルの動きとその影響について興味を持ったことがある。ミロのような直接的な影響からシャガールのような具象作家の筆遣いにまでそのような痕跡を見つけることができ、この運動の根底にある生の衝動の凄まじさを感じた。またその資料として購入したのが、1987年にオーストラリア国立美術館で開催された「The Spontaneous Gesture」という、抽象表現主義が世界を席巻した時代に制作された版画や挿絵本を集めた展覧会の図録で、スーラージュやアペル、少し下ってタピエスなどの作家の版画購入の際に参考にした。購入した版画はその後、抽象表現主義的な筆触を残しながらも、地図や数字などの記号的な図像を用いた画面によって絵画の平面性を推し進めたとされる、ネオダダの作家ジャスパー・ジョーンズが1967年に制作したリトグラフ「Numbers」(Ed.35)の購入資金の一部となったが、手にした作品は、その現代美術における価値はともかく、ヨーロッパの作家の版画作品に馴染んでいた目には、リトグラフ作品としての魅力を感じることはできなかった。資本主義的な上昇志向も無く、根が貧乏人であるため、自分のような者が持っているべきではない、という声が頭の中から聞こえてきて、どうも落ち着かない。「貧乏人は麦を食え!」ではないが、ポスターや図録ぐらいが己の器に合っているように思う。結局ジョーンズの版画は、ポップアート関係のエフェメラやリー・フリードランダー(Lee Friedlander, 1934-)などの写真集に代わった。

今では「頭足人(Kopffüßler)」の作家として知られるドイツ ヘッペンハイム生まれの画家で彫刻家のホルスト・アンテス(Horst Antes, 1936-)は、アンフォルメルとは全く無縁と思える作風であるが、アンテスが1960年にケルンのシュピーゲル画廊(Galerie Der Spiegel, Köln)で最初の個展を開催した際に刊行された図録の書影を海外の古書店の目録で目にしたときは驚いた。アンテスは1957年から59年まで、現在は国立になったカールスルーヘ美術アカデミー(Akademie der Bildenden Künste in Karlsruhe)に学んでいるが、師事したのは、1955年にドイツ表現主義の画家兼版画家のエーリッヒ・ヘッケル( Erich Heckel, 1883-1970)の後任として赴任し、1960年まで教授職にあった、木版画を得意とする画家のヘルムート・アンドレアス・パウル・グリースハーバー(HAP=Helmut Andreas Paul Grieshaber, 1909-1981)である。アンテスの初期の絵画は、ウィレム・デ・クーニング(Willem de Kooning, 1904- 1997)に見られる具象とアンフォルメルの間の道を探していたが、1960年頃に、その後の彼の創作の原点となる「頭足人」を発見することにより大きく変貌する。この図録には展覧会に出品された作品ではなく、デ・クーニングばりの激しい筆触で描かれた、モノクロ3点、カラー4点、計7点のオリジナル・リトグラフが収められている。それは奇しくも、ピカソやマチス、ミロなどに影響を受け、折衷的なスタイルで制作していたロイ・リキテンスタイン(Roy Lichtenstein, 1923-1997)が、当時まだ絵画の本流であった抽象表現主義風の作品の売り込みに失敗し、大衆的なイメージを主題とするポップアートに活路を見い出そうとした時期と重なる。

●作家:Horst Antes(1936-)
●種類:Catalogue
●サイズ:381x261mm
●技法:Lithograph
●限定:200
●発行:Galerie Der Spiegel, Köln
●印刷:Wena Druckerei, Karlsruhe
●制作年:1960
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1987年にオーストラリアの国立美術館で行なわれた展覧会「The Spontaneous Gesture - prints and Books of the Abstract Expressionist Era」の図録
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ミロのリトグラフ「Series I, blue and green on red wash」1961、Ed.30
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by galleria-iska | 2012-09-06 20:49 | 図録類 | Comments(0)
2012年 04月 02日

パウル・ヴンダーリッヒ展の図録「Galerie Berggruen」(1972)

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自分がまだ現代美術には興味を持てず、東京の“みすず書房”から刊行されたばかりの「レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図集」(松井喜三 編集・解説)に見入っていた1972年にパリのベルクグリュン画廊で行なわれたパウル・ヴンダーリッヒ(Paul Wunderkich, 1927-2010)の水彩と版画による個展の図録。表紙はヴンダーリッヒによるオリジナルのリトグラフ。印刷はムルロー工房で、版画用のアルシュ紙が使われている。ヴンダーリッヒは1960年に「モナ・リザ」の顔の図像を取り入れたリトグラフを何点か制作しているが、1972年から73年にかけて再び「モナ・リザ」を取り上げ、この図録の表紙ために、「モナ・リザ」の顔をグロテスクに変容させた四つのバリエーションを制作している。

●作家:Paul Wunderlich (1927-2010)
●種類:Catalogue
●題名:Pour Berggruen
●サイズ:220x115mm
●技法:Lithograph
●紙質:Arches
●発行:Galerie Berggruen, Paris
●限定:ca.3000
●印刷:Mourlot, Paris
●制作年:1972
●目録番号:R.448

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by galleria-iska | 2012-04-02 20:55 | 図録類 | Comments(0)
2012年 01月 26日

フィリップ・モーリッツ展図録「Mohlitz Engravings」(1973)

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フランスはボルドー出身の銅版画家フィリップ・モーリッツ(Philippe Mohlitz, 1941-)のアメリカへの紹介は、ニューヨークのコロンビア大学のフランス館を会場にして行なわれた1972年のエッシャーとの二人展が最初のもので、翌年には同じ会場を使って最初の個展(4月16日~5月4日)が開催されている。この二つの展覧会を企画したのは、当時未だ自宅をショールーム(Fitch-Febvrel Gallery)にしていたニューヨークの版画商アンドリュー・フィッチ(Andrew Fitch)で、1973年の個展の際にはリーフレットを制作、自ら紹介文を書いている。一方、日本にいち早くモーリッツの銅版画を紹介したのは、当時東京芸術大学の教授を務めていた銅版画家の駒井哲郎(1920-1976)で、1971年に渡欧した際、オールドマスターから現代作家までの版画とデッサンを得意とする1876年創業の老舗版画商、ポール・プルーテ画廊(Paul Prouté S.A.)でモーリッツの1967年の銅版画「深淵(Les Abysses)」を購入し、帰国後、芸大の版画研究室で披露している。それから二年後の1973年の11月、日本で最初の個展が東京銀座の番町画廊で開催され、「深淵」やリーフレットの表紙に使われている「36人の登場人物に攻撃される英雄」などが展示された。美術の諸要素を最小限の単位で形成するというミニマル・アート全盛の時代に、過去への退行としか思えないエングレーヴィングという表現法を持って現われたモーリッツは、そのアナクロニスムを逆手に取り、芸術が持ち得る本来的な意味での想像力に満ち溢れた作品を創り出した。

●作家:Philippe Mohlitz(1943-)
●種類:Leaflet
●サイズ:190x230mm
●技法:Offset
●発行:The Fitch-Febvrel Gallery, New York
●制作年:1973

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by galleria-iska | 2012-01-26 15:53 | 図録類 | Comments(0)
2011年 11月 24日

ミンモ・パラディーノの画集「Mimmo Paladino:Works on paper 1973-1987」(1987)

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イタリアの画家、版画家、彫刻家ミンモ・パラディーノ(Mimmo Paladino, 1948-)の初体験は、名古屋の錦にあったギャラリー・セキ(Gallery Seki)で行なわれた、4点のリノカットによる連作版画、“Daedalus(ダダイロス)”, “Introibo ad Altare Dai”(イントロイボ・アド・アルター・デイ), “Sogno Umido”(ウエット・ドリーム), “Ellpodbomool(エルポドボモール=ジェイムズ・ジョイスの長編小説『ユリシーズ』の主人公であるレオポルド・ブルーム(Leopold Bloom)のアナグラム)”を中心とする「ミンモ・パラディーノ新作版画展」(1984年11月13日~27日)であった。袋小路に陥ったミニマリズムやコンセプチュアル・アートから描くこと自体を取り戻すという触れ込みで華々しく登場した「トランスアヴァンギャルド」という表現主義的な折衷画風には正直最初違和感を覚えた。パラディーノは南イタリアのパドゥーリ生まれ。1964年から1968年までベネヴェント美術学校(Liceo Artistico di Benvenuto)で学ぶ。1977年にミラノ、1978年にはニューヨークに移るが、その後パドゥーリに戻り、そこで制作活動を続けている。1980年にヴェネツィア・ビエンナーレ、1982年にカッセルで開かれたドクメンタ7に出展している。1987年にフジTVギャラリーでの個展のために来日、東京芸大版画研究室で木版画「世紀の出会い」を制作している。
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ギャラリー・セキから届いた「ミンモ・パラディーノ新作版画展」の案内状、104x148mm。壁にピンで留めていたので、穴だらけである。

この画集は、バブル華やかしき頃、晴海の東京国際見本市会場で開催された「東京インターナショナルアートショー(TIAS)」の招待状をいただき、知り合いの画廊担当者と連れ立った出かけた折りに、ショーに出展していた当時パラディーノの代理人であったタデウス・ロパック氏から最後の一冊だと言われ購入したもの。表紙はリトグラフで、半透明のワックスペーパーのカバーが付いていて8000円だった。展示ブースにはオリジナルもあったが、時はバブル絶頂期、とても手が出せなかった。

●作家:Mimmo Paladino(1948-)
●種類:Monograph
●題名:Mimmo Paladino:Works on paper 1973-1987
●サイズ:303x224mm
●技法:Lithograph(Cover)
●発行:Edition Galerie Thaddaeus Ropac Salzburg
●限定:2000
●制作年:1987
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タデウス・ロパック氏からいただいたビジネスカード。

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表紙のリトグラフ。パラディーノの作品に登場するモチーフが所狭しと並んでいる。
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by galleria-iska | 2011-11-24 20:23 | 図録類 | Comments(0)
2011年 09月 03日

ジャン・デュビュッフェ版画展図録「Jean Dubuffet Grafik」(1961)

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1961年にデンマークのユトラント半島のシルケボアにあるシルケボア美術館(Silkeborg Museum)(1)で開催されたフランスのアンフォルメルの先駆者的存在で、「芸術的訓練や芸術家として受け入れた知識に汚されていない、古典芸術や流行のパターンを借りるのでない、創造性の源泉からほとばしる真に自発的な表現」である「生の芸術=アール・ブリュット(Art brut)を賛美したフランス人画家、ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet, 1901-1985)の1944年から1961年までに制作された全版画作品による回顧展(1961年5月18日~1962年5月18日)の図録。

デュビュッフェのデザインによる表紙絵は、この展覧会の告知用ポスターにも使われているが、フォトリトグラフで印刷されたポスターでは年記の代わりに展覧会の日程が記載されている。図録の後半は、フランスの詩人、批評家で、二十世紀の前衛芸術の蒐集家でもあった、ノエル・アルノー(Noël Arnaud, 1919-2003)によって編まれた、1944年から1961年4までに制作された版画作品(ポスターも含む)全510点の目録。

●作家:Jean Dubuffet(1901-1985)
●種類:Catalogue
●サイズ:192x132mm
●技法:Lithograph
●限定:2500
●発行:Silkeborg Museum
●制作年;1961

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裏表紙、1961年3月制作のデッサン。
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この図録の追補版が同美術館から1966年に刊行されている。
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表紙はデュビュッフェによる「Autoportrait en l'honneur d'Asger Jorn」

註:
1.シルケボア美術館は、第二次世界大戦後のヨーロッパに起こった前衛芸術運動であるコブラ(CoBrA)の創設者で、デンマークのユトラント半島のシルケボア(Silkeborg)生まれのアスガー・ヨルン(Asger Jorn,1914-1973)が1961年に故郷であるシルケボアに設立した美術館で、象徴主義やシュルレアリスムからコブラやシチュアシオニストまでの作品と資料を収集しており、建物の壁面はデュビュッフェの作品
で装飾されている。
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by galleria-iska | 2011-09-03 13:33 | 図録類 | Comments(0)
2011年 08月 31日

マルク・シャガール「Derrière le Miroir No.198」(1972)

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1972年の5月にパリのマーグ画廊で行なわれたマルク・シャガール(Marc Chagall, 1887-1985)の個展の図録として刊行された《鏡の裏誌(Derrière le Miroir)》、第198号の特装版。個展には、シャガールが1968年から1971年にかけて制作した31点の絵画作品と4点の彫刻作品が出品された。カラー図版10点とモノクロ図版26点の他に、ルイ・アラゴンによる《驚嘆すべきシャガール》が収められている。表紙はシャガールがこの図録のために制作したオリジナルリトグラフで、本文中にも2点(うち1点はダブルページ)のオリジナルリトグラフが挿入されている。リトグラフの印刷はパリのムルロー工房(Mourlot)で行なわれている。マーグ画廊は自社の印刷所を持っているが、シャガールは専任の刷り師、シャルル・ソルリエのいるムルロー工房を使い続けた。奥附に限定番号とシャガールの直筆サイン。

●作家:Marc Chagall(1887-1985)
●種類:Art magazine(revue d'art)
●題名:Derrière le Miroir No.198」(Chagall)
●著者:Louis Aragon 《Chagall l'admirable》
●サイズ:380x280mm
●ケース:395x295mm
●限定:150
●紙質:B.F.K. de Rives
●出版:Maeght Éditeur, Paris
●印刷:Mourlot, Paris
●制作年:1972

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表紙:「Pantomime」(M.649)
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「Jour de Printemps」(M.650)
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「Après l’Hiver」(M.651)
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それなりの金額を支払った特装版購入者のためであろうか、特装版(150部)と通常版(5000部)とでは若干配色が異なっている。
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            特装版                          通常版
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by galleria-iska | 2011-08-31 17:37 | 図録類 | Comments(0)
2011年 08月 27日

マン・レイの表紙絵「XXe siècle n°35 Panorama 70」(1970)

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先にコメントをいただいたマン・レイストさんによると、今日8月27日はマン・レイ(Man Ray,1890-1976)の誕生日であるとか。その生誕121年を祝い、マン・レイが表紙絵を手掛けた美術誌「二十世紀」(第35号:Nouvelle série n°35 - : Les grandes expositions dans les Musées et dans les Galeries en France et l'Étranger. 1970年刊)を取り上げたい。この号は、マン・レイがパリの二十世紀画廊とニューヨークのレオン・アミエル出版から素描を元にした15点のエッチングによる銅版画集「時の外にいる婦人たちのバラード(La Ballade des Dames hors du temps)」(Anselmino 60A-P)を刊行した、1970年の12月に発行されたもので、マン・レイの描いた女性像に関する特集記事が組まれ、版画集所収の作品が一部紹介されている。

ここで一言、マン・レイストさんに御礼申し上げたい。当ブログへの訪問者数は、マン・レイストさんからコメントをいただく前は、一日一人あるかないかの状態であったが、コメントをいただいた日から急に増え、三日間で五百人を超す訪問数者が記録され、斯くも多くのマン・レイスト・ファンがいるのかと驚いた次第。しかしながら、マン・レイストさんのコメントが無ければ、その数は推して知るべしで、我が身の浅学菲才を恥じ入るばかりである。

●作家:Man Ray(1890-1976)
●種類:Art Magazine(Revue Artistique)
●題名:XXe siècle( n°35 Panorama 70)
●サイズ:315x246mm
●技法:Offset
●発行:Société Internationale d'Art XXe siècle, Paris
●発行年:December 1970



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by galleria-iska | 2011-08-27 22:05 | 図録類 | Comments(0)
2011年 08月 22日

宮崎敬介・小口木版画展パンフレット「Keisuke Miyazaki:Woodengraving」(1997)

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1970年に某有名アニメ監督の次男として生まれた宮崎敬介氏は、武蔵野美術大学在学中に柄澤 齊に出会い、小口木版画を始める。1994年に大学を卒業し、95年に小口木版画家として出発する。1996年、大阪の阪急古書のまちに店舗を構える加藤京文堂で行なわれた「小口木版画五人展」に出品、翌97年には「宮崎敬介小口木版画展」を開催する。このパンフレットはその時のもので、宮崎氏の初期の小口木版画13点が出品され、そのうち11点が図版入りで掲載されている。会期中に雁皮刷りの作品を一点を購入。それから14年経ち、宮崎氏も齢40を数え、今は柄澤氏の作風の対極にあるような、一見小口木版画とは思えない柔らかな表情の作品へと変貌を遂げたようである。ただ現在の価格も当時とあまり変わりないようであり、版画作品の売り上げだけで生計を立てているとしたら、それこそ飛ぶように売れないことには暮らしていけないはずなのだが...。そんな他人の心配をしていても仕方がない。我が身の収入はずっと右肩さがりである。

●作家:Keisuke Miyazaki(1970-)
●種類:Pamphlet
●サイズ:220x115mm(220x342mm)
●技法:Offset
●発行:Kato Kyobundo, Osaka
●制作年:1997

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by galleria-iska | 2011-08-22 22:53 | 図録類 | Comments(0)
2011年 08月 18日

アンリ・マチスの展覧会図録表紙「Peintres témoins de leur temps II:Le Dimanche」

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前にフランスを代表するサロンのひとつである「時代の証人・画家展」の招待状を取り上げたときに、第二回展のためにアンリ・マチス(Henri Matisse, 1869-1954)がデザインしたポスターを紹介したことがあるが、今回はその図録。マチスは必ずしもデザインに関心があった訳ではないが、その絵画における線の単純化と純粋な色面を強調した絵画を追及する中で、デザインを成立させるための要件や思考を会得していくこととなり、絵筆を握って描けなくなる中で選択した切り絵という手法において、ある意味皮肉にもデザイナーとしての資質を開花させることとなったと言える。

マチスは最晩年にあたる1952年に、翌年開催予定の第二回時代の証人・画家展の告知用ポスターと図録の表紙のためのデザインを依頼される。マチスは第二回展のテーマである“日曜日(dimanche)”を図像ではなくレタリングの形で盛り込んだデザインを行なっているが、“純粋な式面の強調”を旨としてきたマチスに相応しく、フランスの国旗や南仏の陽光を思わせる明るい色彩を使った単純な色面を組み合わせで画面を構成している。対角線上に引かれた朱色のストライプによって画面は左右に二分され、人為的な形象である《dimanche》という文字を造形的な形体へと変容させ、それと植物の有機的な形体を対比させるように配置しており、左右の色価のバランスを保っている。ポスターでは、対角線上に置かれた朱色のストライプの上に二種類の書体で構成されたレタリングを小分けに配置することで、リズム感を生み出しているのだが、このようなレタリングの配置の仕方はこの時代の感覚には非常に斬新に思えたであろう。図録の方は、告知に必要なレタリングは省かれ、展覧会の題名だけになっている。関係者向けに作られた特装版では通常、別刷りのものが口絵として綴じ込まれることになっているのだが、第二回展の図録では、当初から装丁を意識したデザインを行なったマチスの意向であろうか、通常版と同じように表紙として使われている。ただし、用紙は厚手のものに変えられ、通常版のような裁ち落としではなく、表紙の四方が内側に折り込まれるフランス表紙になっている。

●作家:Henri Matisse(1869-1954)
●種類:Catalogue
●題名;:Peintres témoins de leur temps II:Le Dimanche
●サイズ:208x134mm
●技法:Lithograph
●限定:200(H.C.)
●発行:Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris
●制作年:1953

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告知用ポスター。
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出品作家の一人であるアントニ・クラーヴェの紹介:右ページに自画像と出品作品、左ページには図録用に描いたデッサンが掲載されている。





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by galleria-iska | 2011-08-18 16:20 | 図録類 | Comments(0)