ガレリア・イスカ通信

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2011年 09月 28日

ホルスト・ヤンセンの絵草子集「Über die Traurigkeit und Hoffnung」(1969)

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第一図《1,2,3,4,5,6,7 - wo ist meine Frau geblieben》779x601mm、二色刷り、1969年3月12日制作
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第二図《ich bin traurig. Sie sagt: Sie ist traurig und die Mollusken feixen》628x816mm、二色刷り、1969年4月23日制作
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第三図《Sie war die Schönste im Lande...》820x622mm、二色刷り、1969年4月24日制作
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第四図《Sie hat die schönsten Arme...》635x815mm、二色刷り、1969年6月1日制作
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第五図《Sanfte und milde Anweisung zur Vernichtung schleswig-holsteinischer Schweine...》817x625mm、二色刷り、1969年5月25日制作。赤色のヴァージョンもあるらしいが、未確認。
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第六図《ich habe mich zerrissen...》810x619mm、三色刷り、1969年6月12日制作
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第七図《Sie sagt: Sie kommt》621x815mm、三色刷り、1969年6月30日制作


●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Laatzen Bilderbogen
●題名:Über die Traurigkeit und Hoffnung
●技法:Strichätzung(Zinkätzung)
●限定:1000
●発行:Buchhandlung und Antiquariat Hermann Laatzen, Hamburg
●印刷:Hans Christians, Hamburg
●制作年:1969

1960年にヴェレーナ・フォン・ベートマン=ホルヴェーク(Verena von Bethmann-Hollweg)と三度目の結婚をしたホルスト・ヤンセンであったが、1968年に離婚、8年連れ添ったヴェレーナに対する思いを七点組みの絵草子集「「悲しみと希望について」に綴ったもの。絵草子は1969年3月12日から6月30日にかけて制作され、ハンブルクの書肆、ヘルマン・ラーツェン(Hermann Laatzen)から出版された。

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絵草子集「悲哀と希望」の出版案内。第6図と同じ1969年6月12日に制作されている。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●題名:Für Verena(Verena von Bethmann-Hollweg )
●サイズ:275x206mm(275x412mm)
●技法:Strichätzung((Zinkätzung))
●発行:Hermann Laatzen, Hamburg
●印刷:Hans Christians, Hamburg
●制作年:1969
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by galleria-iska | 2011-09-28 19:52 | ホルスト・ヤンセン関係 | Comments(0)
2011年 09月 22日

金子國義のポスター・カレンダー「Alice」(2003)

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金子國義氏は展覧会の際にリト刷りのポスターを制作している数少ない作家であるが、そのモチーフは、1974年にオリベッテイ社から刊行された「不思議の国のアリス」の成功以降、やはり「アリス」に関するものが多い。リトグラフで制作された2003年のポスター・カレンダーのモチーフもアリスであるが、カレンダー用に制作されたオリジナルではないようで、ポスターでは左右が反転しているが、画像処理で元に戻すと、画面上部に《...Tokyo Japan 1994》との書き入れがあり、金子氏が新潮社から版画集「不思議の国のアリス」を出版した1994年に制作されたようである。このイメージは2007年のカレンダーの表紙にも使われている。

●作家:金子國義(Kaneko Kuniyoshi, 1936-2015)
●種類:Poster/Calendar
●題名:Alice
●サイズ:622x450mm
●技法:Lithograph
●制作年:2003

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by galleria-iska | 2011-09-22 22:00 | その他 | Comments(0)
2011年 09月 14日

森万里子のマルティプル「Star Doll」(1998)

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1967年、経済学者の森敬とペーター・ブリューゲルの研究で知られる美術史家の森洋子夫妻-父方の祖父は森ビル創業者、森泰吉郎-の子として生まれた写真・映像作家の森万里子(Mori Mariko, 1967-)氏は、1988年に文化服装学院スタイリスト科卒業後、渡英、バイアム・ショウ美術学校(Byam Shaw School of Drawing and Painting)とチェルシー美術大学(Chelsea college of art and design)で美術専門教育を受けた後、アメリカに渡り、「ホイットニー・インディペンデント・スタディー・プログラム」を経て、アーティストとして活動を始める。初個展は1995年。ゲルハルト・リヒターが金獅子賞を受賞した1997年の第47回ヴェネツィア・ビエンナーレでは日本館ではなく北欧館に出品し、3Dのヴィデオ・インスタレーション「ニルヴァーナ(Nirvana)」で優秀賞(Menzioni d'onore)を受賞し、話題となった。

彼女の初期の写真作品「プレイ・ウィズ・ミー(Play with me)」(1994年)、「ティー・セレモニー(Tea Ceremony)」(1994年)、「サブウェイ(Subway)」(1994年)、「スター誕生(Birth of a star)」(1995年) は、アニメやコスプレ、オタク文化といった日本的サブカルチャーをテーマとして取り上げ、自身が被写体として、ヒーロー物や戦隊物のドラマのように日常的な都市のある場面に突如出現する非現実的な登場人物に扮したもので、それが映像化されることで、ただ通り過ぎていくだけで記憶に残らない日常的光景が炙り出される。森氏の作品は、自己のアイデンティティの模索といった内省的な動機によって創られているものではなく、現実世界よりも非現実的なものの方がリアリティーを生み出す力を持っていることを実証しつつ、同時にその背後に横たわる無作為の現実の意味を問いかけているようにみえる。

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その1995年の「スター誕生」を逆にフィギュアに落とし込んだ作品「Star Doll」は、村上隆やヤノベケンジ(矢延 憲司、1965年‐)らのそれに先行する試みであり、「パーケット(Parkett)」という現代美術の今に焦点を絞った美術雑誌を発行しているスイスのチューリッヒにある出版社パーケットが、ヴェネツィア・ビエンナーレでの受賞により一躍脚光を浴びる存在となった森万里子の特集を組んだパーケット54号(1998/99)の発行に合わせて出版したマルティプル作品である。パーケット社のマルティプル(版画作品も含む)の出版には、一般美術誌と比べて発行部数の少ない同誌の編集費用を賄う意味もあるという。フィギュアの製作は、東京都葛飾区にあるソフビやフィギュアの製作会社、マーミット(Marmit)で行なわれ、同社の《スーパーエクセレントシリーズ(Super Excellent Series)》仕様で作られている。出版に際し、日本の雑誌でも取り上げられたように記憶しているが、日本国内ではアート作品というよりは、フィギュアの延長と見てしまい、たとえ限定99個と言えども、通常数千円ぐらいで販売されている10倍近い価格は、どう見ても割高(!)に見えてしまったようである。一方、先入観のない海の向こうでは事情(認識)は異なっていたようで、発売後すぐに完売となっている。
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●作家:Mori Mariko(1967-)
●種類:Multiple
●題名:Star Doll(Edition for Parkett 54, 1998/99)
●サイズ:260x80x40mm
●限定:99
●出版:Parkett, Zurich and New York
●製作:Marmit, Tokyo
●制作年:1998



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by galleria-iska | 2011-09-14 20:27 | その他 | Comments(0)
2011年 09月 09日

ホルスト・ヤンセンの展覧会図録「Horst Janssen der foliant」(1992)

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ホルスト・ヤンセン(Horst Janssen, 1929-1995) は1990年5月19日の朝、ハンブルクの自宅二階に設置した2m四方のバルコニーが壊れ、版画制作のための用具(石版石(一枚)、亜鉛板(十枚)、ガラス板、希硝酸の入った盥)などとともに、3.4mの高さから転落。骨盤と頚骨骨折、頭部負傷に加え、腐蝕用の希硝酸を顔に浴び、酸による火傷で失明の危機に陥るが、救急車で病院に運ばれ精密検査と適切な処置を受け、無事事なきを得る。この図録は、その顛末の一部始終を、写真やデッサンを使って、執拗にかつ詳細に記録したものであり、病状報告として纏められた版画集「1990年5月19日(Der Foliant - 19. Mai 1990)」の発表の際の図録として、また1992年5月16日にオルデンブルクに開館したドイツ病院美術館での展覧会用の図録として刊行されたものである。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Catalogue
●題名:Horst Janssen der foliant
●サイズ:295x230mm
●技法:Offset
●発行:Verlag St. Gertrude GmbH, Hamburg
●制作年:1992

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この図録には二種類の表紙があり、ここで取り上げたものは、ドイツ病院美術館での展覧会の後に予定されていたハノーヴァーのルプフェルト画廊(Galerie Lüpfert)用に作られたものらしく、展覧会を告知するポスターのイメージとヤンセン手書きの案内文が使われている。オリジナル版の表紙は次のもの。
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追記(2015年1月26日)

ドイツ病院美術館での上記の展覧会『der foliant』の招待状を入手することができたので、画像を追加する。

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●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Invitation(Einladung)
●サイズ:145x211mm(145x422mm)
●技法:Offset
●発行:Deutsches Krankenhausmuseum Oldenburg
●制作年:1992
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by galleria-iska | 2011-09-09 19:24 | ホルスト・ヤンセン関係 | Comments(0)
2011年 09月 06日

クリスチャン・ボルタンスキー「point d'ironie n°7」(1998-07-01)

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ファッション・ブランドととしては後発のアニエス・ベー(agnès b)であるが、ブランド創立者のアニエス・べーこと、アニエス・トゥルーブレ(Agnes Troublé)はもともと美術館のキュレーターを目指していたというだけあって、1984年には自社のギャラリー、ギャラリー・デュ・ジュール(galerie du Jour)を、パリのジュール通り、Femmeブティックのすぐ隣にオープンし、展覧会を開催した若手現代美術作家(ジャン=シャルル・ブレ、日比野克彦、ルル・ピカソ)による広告ポスターを制作。ギャラリーは1996年、ポンピドゥー・センター近くへ移転。書店も併設し、現代美術、ことに写真関係の作品の展示に力を注いでいる。

アニエス・べーが発行しているポワン・ディロニー(point d'ironie「 ؟ 」=作品や記事の皮肉な部分を知らせる記号)という雑誌・ポスターは、アニエス・ベーのサイトの紹介によれば、1997年に、人間の記憶や時の流れを取り扱った作品を写真や映像、オブジェを用いて制作するフランスの現代美術作家、クリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltanski, 1944-)とともに「拡散」というアイデアをもとに生まれたとある。アニエス・ベーとスイス人キュレーターで評論家のハンス=ウールリッヒ・オブリストによって発行されている。美術作家、音楽家、建築家、映画監督などが参加しており、各自が8ページほどの紙面を使って自由に作品を展開することができる企画。年6回発行。10万部から30万部が、全世界のアニエス・ベーのブティックや美術館、ギャラリー、学校などで無料で配布されている。

ポワン・ディロニーの第七号は、そのボルタンスキーが担当しており、「L'Ecole de Hamburgerstrasse ؟ 」と題された作品は、ベルリンのハンブルク(大)通りの学校で1939年に撮影された集合写真をもとに構成されているが、第二次世界大戦が勃発した1939年に、この少女たちが誰で、何を見て笑っているの、また何が彼女たちを笑わせているかは明らかにされてはいない。ナチスは既に、党首のアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)が首相に就任した1933年に、ドイツ国内で、「ナチス政権の実在・仮想の敵を拘束し虐待するための」強制収容所の建設に着手しており、同年1年だけで、ナチス親衛隊(SS)や警察が運営する強制収容所の数は国内で100を超え、最終的には強制収容所やゲットー(ユダヤ人強制居住区域)などの迫害施設は二万ヶ所近くに上るとされる。この1938年の少女たちの屈託のない無邪気な笑顔と、60年後の1998年の今の少女たちのそれとに違いはないかもしれないが、ここに写った彼女たちにはその後の運命は如何なるものであったかは、語るまでもない。ボルタンスキーはこの写真を使った作品を繰り返し制作している(1)。

この第七号は、発行当時にアニエス・ベーのショップで入手したもの。五部いただいてきたが、残り二部となった。二枚のシートに裏表印刷されており、8ページ、計四面となる。紙面を捲ると、前景と遠景が交互に合わさっていて、幾つかの写真を使っているように思われるが、二部の紙面を使って一枚の写真に繋ぎ合わすことができる。

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⑦Christian Boltanski, L'Ecole de Hamburgerstrasse ؟ juillet 1998 ・ directeur de la publication:agnès b ・ rédacteur en chef:Hans-Ulrich Obrist ・ chargé d'éditions:Carrie Pilto ・ 17 rue Dieu, 75010 Paris, France・tel +33 (0)1 40 03 45 86・fax +33 (0)1 40 03 45 54 ・ mprimé en Belgique par Ro RC 71729 ・ ce journal ne peut être vendu ・ photo D.R.

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元写真のイメージ

註:
1.(i).Christian Boltanski, L’Ecole de Grosse Hamburgerstrasse, 1939. Photogravure. 25 in. x 19 in.(63.5x48.3cm)
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(ii).Christian Boltanski, Portfolio titled "The School of Grosse Hamburgerstrasse, Berlin," which references memories of the Holocaust through the innocence of school children. With 8 (of 8) photogravures, each approximately 16 1/4x11 1/4 inches(41.3x28.6 cm.), with Boltanski's initials and sequentialletter "A"-"H," in pencil, on verso. Contents loose asissued; each individually framed. one of an edition of 25 and 5 artist'sproofs. 1939; printed 1998. This portfolio was published by the Marian GoodmanGallery, New York, to benefit The BrooklynAcademy of Music.

(iii).Christian Boltanski, L’Ecole de Grosse Hamburgerstrasse, en 1938 signed and numbered. Ed.40. metal tin, photograph, cloth, tape, and litho pencil( i:) 9 1/4 by 8 3/4 by 1/2 in. (23.5 by 22.2 by 1.3 cm). (ii): 9 by 8 1/2 by 2 1/4 in. (22.9 by 21.2 by 5.7 cm). Executed in 1991.

参考文献:
1.Bob Calle 「Christian Boltanski Livres d'artiste 1969-2007」 Editions 591, Paris, 2008, p. 125
2.Deborah Wye & Wendy Weitman  「eye on europe : prints, books & multiples / 1960 to now」 The Museum of Modern Art, New York, 2006, p. 103.
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by galleria-iska | 2011-09-06 20:57 | その他 | Comments(0)
2011年 09月 03日

ジャン・デュビュッフェ版画展図録「Jean Dubuffet Grafik」(1961)

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1961年にデンマークのユトラント半島のシルケボアにあるシルケボア美術館(Silkeborg Museum)(1)で開催されたフランスのアンフォルメルの先駆者的存在で、「芸術的訓練や芸術家として受け入れた知識に汚されていない、古典芸術や流行のパターンを借りるのでない、創造性の源泉からほとばしる真に自発的な表現」である「生の芸術=アール・ブリュット(Art brut)を賛美したフランス人画家、ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet, 1901-1985)の1944年から1961年までに制作された全版画作品による回顧展(1961年5月18日~1962年5月18日)の図録。

デュビュッフェのデザインによる表紙絵は、この展覧会の告知用ポスターにも使われているが、フォトリトグラフで印刷されたポスターでは年記の代わりに展覧会の日程が記載されている。図録の後半は、フランスの詩人、批評家で、二十世紀の前衛芸術の蒐集家でもあった、ノエル・アルノー(Noël Arnaud, 1919-2003)によって編まれた、1944年から1961年4までに制作された版画作品(ポスターも含む)全510点の目録。

●作家:Jean Dubuffet(1901-1985)
●種類:Catalogue
●サイズ:192x132mm
●技法:Lithograph
●限定:2500
●発行:Silkeborg Museum
●制作年;1961

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裏表紙、1961年3月制作のデッサン。
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この図録の追補版が同美術館から1966年に刊行されている。
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表紙はデュビュッフェによる「Autoportrait en l'honneur d'Asger Jorn」

註:
1.シルケボア美術館は、第二次世界大戦後のヨーロッパに起こった前衛芸術運動であるコブラ(CoBrA)の創設者で、デンマークのユトラント半島のシルケボア(Silkeborg)生まれのアスガー・ヨルン(Asger Jorn,1914-1973)が1961年に故郷であるシルケボアに設立した美術館で、象徴主義やシュルレアリスムからコブラやシチュアシオニストまでの作品と資料を収集しており、建物の壁面はデュビュッフェの作品
で装飾されている。
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by galleria-iska | 2011-09-03 13:33 | 図録類 | Comments(0)