ガレリア・イスカ通信

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2013年 03月 27日

キース・ヘリングの缶バッジ「Best Buddies」(1989)

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ベスト・バディーズ(Best Buddies)は1989年にアンソニー・ケネディ・シュライバー(Anthony Kennedy Schriver, 1965-)によって設立されたアメリカの非営利組織で、知的障害児のために、一対一の友情、差別の無い雇用、彼らに対する指導力の向上の機会を作り出す世界的なボランティア活動の確立を目的としている。設立にあたり、キース・へリング(Keith haring, 1958-1990)は自身の作品をベスト・バディーズのロゴとして提供しており、それは活動資金を得るために様々なグッズに利用されている。前にそのイメージを使った初期のステッカーを取り上げたことがあるが、この缶バッジはベスト・バディーズのロゴを用いた缶バッジとは別に制作されたもので、1989年に限定45部で制作された版画収納用の木製ポートフォリオ(Plywood Portfolio Box)にシルクスクリーンでプリントされたモノトーンのイメージ(Best Buddies Cover)を用いている。この缶バッジ全てに当てはまるのかどうかは分からないが、表面に保護用と思われるプラスティックが被せてある。

●作家:Keith Haring(1958-1990)
●種類:Button(Can badge)
●題名:Best Buddies
●サイズ:53x53mm
●技法:Silkscreen
●制作年:1989年
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図版:"Best Buddies Cover"のイメージ、930x1170mm、限定45部。


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by galleria-iska | 2013-03-27 21:09 | キース・へリング関係 | Comments(0)
2013年 03月 25日

ベルナール・ビュッフェの年賀状「Le microscope」(1959)

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画題として取り上げられることは滅多にないであろう顕微鏡を描いたこの作品「Le microscope」、ベルナール・ビュッフェ(Bernard Buffet, 1928-1999)が、神奈川県立近代美術館でデッサンと版画による日本最初の展覧会が開催された1959年に、フランスの大手製薬会社ルセル・ユクラフ(Roussel-Uclaf S.A.)(註1)の1960年の年賀状として制作したもの。顕微鏡の脇に置かれているのは、スライドガラス(Microscope slide)を入れた箱かと思われるが、それには"Roussel"の文字、その包み紙らしきものには"Uclaf"の文字が記されている。画面下の余白にポワント・セッシュ・オリジナル(pointe sèche originale)の表記と版上サインがある。年賀状は二つ折りのカードのような体裁を取っているが、実際は、版画の裏側にあたるページにルセル・ユクラフのロゴマーク(社標)を型押しするために、四つ折りになっている。年賀状とは別刷りで、ビュッフェがサインを入れた限定100部の版画ヴァージョンが存在している。

ビュッフェが、銅版画の技法のひとつであるドライ・ポイントを始めたのは、灰色を基調とする抑制された色彩と虚無的な表情を見せる人物を描いて第1回批評家賞を受賞した1948年のことであるが、バー(burr)と呼ばれる描線に沿って出来るまくれが生み出す滲みを多用するビュッフェの版表現は、第二次世界戦後の喪失感と肉親を失うという孤独感の中にあって、柔らかい皮膚を引っ掻くという自傷的な行為によって生まれる血の滲みにも似たバーの表情に、苦悩とともにある人間の生の姿を投影しようとしたビュッフェの内的な感情の表出であったのかもしれない。アナベルとの出会いによって生きる喜びを色彩によって表現するまでは。

●作家:Bernard Buffet(1928-1999)
●種類:Carte de voeux(Greeting card)
●題名:Le microscope(The Microscope)
●サイズ:235x160mm(sheet:470x320mm)
●技法:Pointe sèche(Dry Point)
●発行:Roussel-Uclaf
●制作年:1959
●目録番号:Rheims 23
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ルセル・ユクラフのロゴマーク。薬学のシンボルとしても使われる「アスクレピオスの杖」というよりは、ヘルメースの持っている杖「ケリュケイオン」を模したデザインである。
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年賀の挨拶
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註:

1.1911年創業のルセル・ユクラフ(現 サノフィ・アベンティス)は1995年に、アメリカ合衆国の製薬会社マリオン・メレル・ダウ社(Marion Merrell Dow)を吸収合併したドイツのヘキスト(Hoechst AG, Frankfurt)社の傘下に入り、97年に完全に買収されるまではフランス第二の製薬会社であった。この合併により、ヘキストグループの世界有数の製薬メーカーであるヘキスト・マリオン・ルセル社となり、1999年には、フランスのローヌ・プーラン・ローラー(RPR)社と合併し、フランス東部のストラスブールを本拠とするアベンティス社となった。2004年、今度はフランスの製薬会社大手、サノフィ・サンテラボ社に吸収合併され、サノフィ・アベンティス(Sanofi-Aventis.)社となる。
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by galleria-iska | 2013-03-25 20:31 | その他 | Comments(2)
2013年 03月 23日

ホルスト・ヤンセンの画集「Phÿllis」(1984)

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1984年にホルスト・ヤンセン(Horst Janssen, 1927-1995)の契約画廊であるハンブルクのブロックシュテット画廊(Galerie Brockstedt, Hamburg)で開催されたヤンセンの45点のエロティックな水彩画による展覧会「フュリス(Phÿllis)」に合わせて刊行された画集。初版は会期中に売り切れてしまい、すぐに第二版が刊行されたと聞いている。当時、ドイツ人画商に勧められ、サイン入りの初版を実物も見ずに何冊か購入した。それらは、また手に入るからと、友人や知り合いの作家に譲り、すぐに追加注文を出したのだが、その時には既に売り切れてしまっていたようで、数ヶ月経って届いたのはサイン無しの第二版であった。わが人生に悔い多し、である。

それから10年後の1994年に、旧セゾングループの出版社で、1984年に『ハンス・ベルメール写真集』の日本語版を刊行したリブロポートの姉妹レーベルであるトレヴィル((Treville)から日本語版が刊行された。この10年という時間は、ベルメールの写真集刊行までのタイムラグと比べると随分長いように思えるが、翻訳権の取得などに時間を要したのか、それとも単に見過ごされていたのか、田舎暮らしの人間には知る由もない。ともかくそれは突然目の前に現れた。洋書の美術書も置いていた馴染みの書店で目にしたときは、少々驚いた。図版の一部にそそり立つファルスを写した写真が使われたり、過激な性描写に配慮したのか、ビニールカバーが掛けられていたように思うが、本自体はオリジナルと全く同じ体裁で造られていたので、てっきりオリジナル版だと思い込んでしまったのである。真紅の帯に並ぶ日本語の文字が目に入らなければ、そのまま気付かずにいたかもしれない。

その帯には「閨房をつつむ夜のとばりの中で少女フュリスと獣人が貪り合う凄惨な「愛」。異端の巨匠ホルスト・ヤンセンが描き出す、夢魔と少女たちとのソドムの饗宴」という文言からキャッチコピーが印刷されていたのだが、それはヤンセンの絵画的表層を言い表してはいるが、いささかセンセーショナルな部分を強調し過ぎているように思えた。ヤンセンの作品には、現代美術の常套手段である引用とか借用、パロディによって成立しているものが多くあり、そこに意図されるのは,描かれた主題とそこから表出される叙情性とか精神的な内面性といったものではなく、ポップ・アートのロイ・リキテンスタインを思い起こしていただければ分かるかと思うが、それをどうやって自己の絵画として成立させるかというところに比重が置かれており、描かれているものに囚われ過ぎると、ヤンセンが現代美術の文脈に立つ作家のひとりであることを見落としてしまう危険性がある。確かにヤンセンは、この作品群において、反道徳、反芸術的とも思える表現を行なっているように見えるが、主人公であるフュリスの醒めた視線を置くことで、作品世界には没入せず、クールな作品に仕立てており、人物画や静物画と同じように、性描写も題材のひとつとして扱われていると理解すべきであろう。

●作家:Horst Janssen(1929-1995)
●種類:Art book
●サイズ:343x256mm
●技法:Offset lithograph
●発行:Galerie Brockstedt, Hamburg
●印刷:Hans Christians, Hamburg
●制作年:1984
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同展の告知用ポスター、1984年、690x500mm、オフセット印刷。
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by galleria-iska | 2013-03-23 19:53 | ホルスト・ヤンセン関係 | Comments(0)
2013年 03月 18日

アントニ・タピエス展の招待状「Galerie Maeght」(1969)

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昨年亡くなったスペインの現代美術を代表する作家のひとり、アントニ・タピエス(Antoni Tapies, 1923-2012)はシュルレアリスムをその活動の起点とするが、抽象表現主義に傾倒していくことで、出身地であるカタルーニャ地方の乾いた風土を感じさせる物質性の高い表現に向うこととなる。1960年代にパリに移住、シャガール、ブラック、ミロといった作家を抱えるマーグ画廊(Galerie Maeght, Paris)と契約、広く国際舞台で活躍することとなる。とはいえ、タピエスの版画作品の価格は他の作家と比べると低く抑えられていたようで、"jésus"と呼ばれる中版(76x56cm)サイズのものが、1980年前半でも数万円で購入することができた。これはそのタピエスのマーグ画廊での三度目の個展の際に作られた内覧会への招待状である。タピエスはここでは、同じカタルーニャ地方の都市バルセロナ出身のミロが行なったように、指を絵筆のように用いて直接描写する方法を採っており、指跡や指紋といった身体の痕跡を残すことで、抽象表現主義における身体性を強く押し出した、直裁な表現を行なっている。そしてまたミロ同様、タピエスの作品を特徴付けるのは、画面の中に書き込まれた自身のモノグラムなどの文字や記号であるが、招待状を広げて見ていると、アルファベットの"T"や"A"、あるいは"X"という文字が浮かび上がってくる。

この個展の図録として刊行された「デリエール・ル・ミロワール(Derriere le Miroir)」誌の第180号には、タピエスのオリジナル・リトグラフとして、招待状と同じように指を使って描いた一本の赤い線が、何箇所かの息継ぎのような繋ぎ目を挟みながら、表紙から最終頁まで延々と続いている。その線は三種類の赤を使い分けて描かれたものであり、一見単調に見えもするが、幾つも感情の起伏を思わせる変化を認めることが出来る。さらにその告知用ポスターでは、白い画面に縦に引かれた、書を思わせる、たった一本の線によって作品を成立させており、それはポップ・アートの作家ロイ・リキテンスタインが抽象表現主義に特徴的な激しい筆触を表現した版画作品「ブラッシュストローク(Brushstroke)」(1965)”同様、絵画をそれを構成する最小限の要素にまで還元してみせている。

●作家:Antoni Tàpies(1923-2012)
●種類:Invitation
●題名:Lithographie en rouge et noir
●サイズ:220x170mm(220x340mm)
●技法:Lithograph
●発行:Maeght Editeur, Paris
●印刷:Arte, A. Maeght, Paris
●制作年:1969
●目録番号:Galfetti. #208
●参考文献:Tàpies - Das graphische Werk 1947-1972, Erker Verlag, St. Gallen, 1972.


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同展の図録として発行された『デリエール・ル・ミロワール(Derrière le Miroir)』誌、第180号:(Derriere le Miroir, No. 180, Octobre 1969: 'Tapies'. Text / poem by Joan Brossa. This issue contains 1 original 28-page colour lithograph! and 16 b/w reproductions on totally 42 pages including cover)
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同展の告知用ポスター

●作家:Antoni Tàpies(1923-2012)
●種類:Poster
●題名:Lithographie en rouge
●技法:Lithograph
●サイズ:650x450mm
●発行:Maeght Editeur, Paris
●印刷:Arte, A. Maeght, Paris
●制作年:1969
●目録番号:Galfetti. #207
●参考文献:Tàpies - Das graphische Werk 1947-1972, Erker Verlag, St. Gallen, 1972.
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by galleria-iska | 2013-03-18 13:00 | 案内状/招待状関係 | Comments(0)
2013年 03月 06日

平和のワイン「Ogata Yosin」(2007)

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1948年、宮崎県は都城市に生まれた緒方良信(Yoshin Ogata, 1948-)氏は、生命の源である水をテーマに作品を制作している画家で彫刻家である。その活動は日本よりもイタリアで多くのことが成されているようで、経歴を見ても、ミラノ・ブレラ芸術大学彫刻科マッシーナ教室、フィレンツェ芸術大学ガッロ教室、ローマ美術大学エミリオ・グレコ教室に学び、1975年にカラーラ芸術大学彫刻科ティコ教室を卒業し、カラーラ国際絵画グラフィックコンクールの一等賞受賞を皮切りに、ファッツィーニ賞など数々の賞を受賞、とある。奇しくも前回取り上げたコロンビアを代表する画家で彫刻家のフェルナンド・ボテロ(Fernando Botero, 1932-)と同じ2007年、日本人としては三人目となる“平和のワイン(Vino della Pace)”のラベル(エティケット)のデザインを依頼され、彫刻作品にもしばしば登場する雫と波紋を用いた作品を制作。ワインを連想させる赤い液体の雫が流れ落ち、波紋を生み出す姿を表現している。しかしそれは単なる平面作品に終わらず、エンボッシングによる凹凸が画面に彫刻のような立体感や質感を生み出し、黒く固まった溶岩の上に新たに滴り落ちる、地球という大地そのものを生成するマグマのような表情も見せている。サインとともに、落款が押されており、作者は、単なるデザインではなく、自己の作品であることを証明している。

●作家:Yoshin Ogata(1948-)
●種類:label(英),etiquetta(伊),etiquette(仏)
●サイズ:130x190mm
●技法:Lithograph + embossing
●発行:Cantina Produttori Cormons
●制作年:2007
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         ラベル(エティケット)の裏側
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by galleria-iska | 2013-03-06 19:29 | ヴィーノ・デッラ・パーチェ | Comments(0)
2013年 03月 05日

平和のワイン「Fernand Botero」(2007)

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昨年齢80歳を迎えた南米コロンビアを代表する画家で彫刻家のフェルナンド・ボテロ(Fernando Botero, 1939-)の日本で初めての展覧会は、1981年の6月から8月にかけて池袋の西部美術館で開催された「ボテロ展-陽性のファンタジー」である。この展覧会には、1960年から1980年にかけて制作された油彩画、素描,彫刻合わせて65点が出展され、日本で初めてボテロ芸術の概要を知る機会となった。入場はしなかったが、駅に通じる通路には数多くのポスターが掲示され、ふくよかなフォルムで描かれた作品に目を奪われ、思わず足を止めて見入った覚えがある。この展覧会のポスターは海外でも人気があったみたいで、幾つかの業者の販売カタログに他の美術館やギャラリーのポスターと並んで掲載されていたように記憶する。ボテロの日本への紹介は、この展覧会より10年ほど早い1972年の『みずゑ』812号に掲載された詩人で美術評論家の日向あき子(本名:坪井富美子、1930-2002)の「フェルナンド・ボテロ-楽園願望への志向」という作家論であったようで、ボテロの作品ついて次ぎのように述べている。
異様に充満したフォルムの人物や生物が描かれたボテロの絵画の世界には、ポップアートもシュールレアリズムも、アンリ・ルッソーもルネ・マグリットも、スペイン風肖像画やエル・グレコ、ルーベンスもフランドル派もある。しかし、何よりも支配的なのは南米的な田舎っぽい空気である。そこにはプレ・コロンビア、スパニッシュ・コロニアルの風土にルーツをもつボテロの楽園願望の志向が見られ、官能性とユーモア、諷刺に満ちた彼の絵画は、荒漠とした現代の機械文明の世界に対して鋭い諷刺となっている

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                         「ボテロ展-陽性のファンタジー」のポスター
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                           同展の図録表紙

その後、幾つか展覧会が企画され、2004年に恵比寿ガーデンプレイスで開催された『ボテロ野外彫刻展(Botero at Ebisu)』 は、彫刻家としての評価を反映したものと言え、そのユーモラスな作風によって、都市の生活に潤いを与えた。そのボテロが2007年の“平和のワイン(Vino della Pace)”のラベル(エティケット)に登場した。ここでは画家としてのボテロの出番で、パンとスープとワインが並べられた食卓につき、うまそうにパンを頬張る自身の姿を描いた作品を提供している。

●作家:Fernando Botero(1932-)
●種類:label(英),etiquetta(伊),etiquette(仏)
●サイズ:130x190mm
●技法:Lithograph + embossing
●発行:Cantina Produttori Cormons
●制作年:2007
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by galleria-iska | 2013-03-05 19:08 | ヴィーノ・デッラ・パーチェ | Comments(0)
2013年 03月 03日

キース・ヘリングのカバー・アート「Man to Man / At the Gym」(1987)

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キース・へリング(Keith Haring, 1958-1990)は1987年、前年にイギリスのボルツ・レコード(Bolts Records)からリリースされた "Male Stripper"でヒットを飛ばしたニューヨーク市のハイエナジー・バンド(Hi-NRG band)、"Man 2 Man(=Man to Man)"の12インチ・シングル・レコード(12" Maxi, 45rpm)「Man to Man / At the Gym」(Bolts 10/12)のカバー・アート(裏側)を担当している。このバンドは1980年代初頭にマイキーとポールのゾーン兄弟(Miki and Paul Zone)によって結成されたバンドで、マイキーが1986年12月31日にエイズ関連の脊髄髄膜炎によって亡くなった後、ポールはバンド名を"Man to Man" と改名し活動を行なっている。1987年にリリースされたこの12インチ・シングルは、そのポール・ゾーンをフューチャリングしたレコードとなっており、周囲を黒ぶちにし配色を変えたフランス版(Disques Vogue P.I.P. S.A.)も同時にリリースされている。ゲイ・カルチャーを背景にデザインされたこの二つレコード、クラブやディスコファンのみならず、ヘリングのファンにも人気があるが、2008年に出版されたウォーホルのレコード・カバーのレゾネ「Andy Warhol:The record covers 1949-1987. Catalogue raisonné」(by Paul Maréchal, München Prestel, 2008. 310x310mm)によって現代美術作家のカバー・アートに対する関心が高まる中、ヘリングがサインを入れたものは、へリングの作品として美術系のオークションにも出品されるようになってきている。

●作家:Keith Haring(1958-1990)
●種類:Cover Art
●題名:Man to Man / At the Gym
●サイズ:304x309mm
●技法:Silkscreen
●レーベル:Bolts Records, London
●制作年:1987
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収録曲は以下のとおり:

Side A
1.At the Gym(Breakdown Mix)
2.At the Gym(Instrumental)
Side B
1.At the Gym(7" Edit)
2.At the Gym(Build-Up Mix)
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by galleria-iska | 2013-03-03 18:35 | キース・へリング関係 | Comments(0)
2013年 03月 02日

ロバート・ラウシェンバーグのカシェ「Earth Summit June 1992」(1992)

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前回、ピーター・マックス(Peter Max,1937-)がデザインした1992年の「地球サミット」を広報する切手とその初日カバーのカシェを取り上げたが、アーティストの立場で環境問題に取り組んだロバート・ラウシェンバーグ(Robert Rauschenberg, 1925-2008)も1991年に、地球温暖化という問題を抱える中での産業の発展と地球環境の維持を考えるこの「地球サミット」の広報用のポスター(註1)をデザインしており、そのイメージは初日カバーのカシェにも使われている。こちらは、国際連合協会世界連盟(WFUNA)ではなく、国際連合の郵便組織である国際連合郵便(United Nations Postal Administration)の依頼によるもの。この初日カバー(FDC)用の封筒は通常の三倍ぐらいの大きさがあり、小さな切手の場合には間が開いてしまうが、ピーター・マックスがデザインした四枚一組の大きな切手にはもってこいといったところ。三種類の切手がシンメトリックに配置され、それに合わせて、それぞれの切手の発行元である国連本部のあるニューヨーク、スイスのジュネーヴ、オーストリアのウィーンの国連管轄の郵便局の初日印が二箇所づつ押印されている。なかには「地球サミット」用の記念の消印(a Earth Summit '92 cancel)(註2)が押印されているものもあって、なかなか見応えのあるものになっている。

●作家:Robert Rauschenberg(1925-2008)
●種類:Cachet
●題名:Last turn - Your turn
●サイズ:180x263mm
●技法:Offset lithograph
●発行:United Nations Postal Administration
●制作年;1992
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ロバート・ラウシェンバーグのカシェ。ラウシェンバーグは作品の上部に次ぎのような言葉を書き入れている"...I predge to make the earth a secure and hospitable home for present and future generations"
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封筒の裏側
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註:
1."Last Turn – Your Turn" (Poster for Earth Summit ’92 the United Nations Conference on Environment and Development Rio de Janeiro, Brazil)" ,1991, Offset lithograph on paper, 25"x25" / 63.5x63.5 cm
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また、ラウシェンバーグが署名を入れた限定200部のプリント(Offset lithograph, 25"x26"/63.5x66.0cm)も同時に制作され、この会議の宣伝基金を得るために寄贈された。

2.「地球サミット」用の記念の消印
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                             《a Earth Summit '92 cancel》
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by galleria-iska | 2013-03-02 12:36 | その他 | Comments(0)