ガレリア・イスカ通信

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2010年 09月 23日

ロバート・メイプルソープ展の招待状 「Galerie Ton Peek」(1981)

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1981年12月から翌82年1月にかけてユトレヒトのトン・ピーク画廊(Galerie Ton Peek)で行なわれたメイプルソープの写真展「Robert Mapplethorpe foto's」のオープニングへの招待状。この招待状は、印刷による複製では無く、印画紙に焼かれた実物の写真を用いており、メイプルソープの招待状の中でも珍しい。この方法は同じオランダの画廊、Galerie Jurkaにおける1980年開催の個展「Black Males」の案内状にも使われている。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●題名:Philip Prioleau,1980
●フォーマット:107x148mm
●イメージ:99x100mm
●技法:Silver print
●発行:Galerie Ton Peek, Utrecht
●制作年:1981

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個展のタイトルや日程、画廊の住所などが記載されている。印画紙を用いているため、通常の機械印刷ではなく、シルクスクリーンのような手作業の印刷方法を使っている。
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# by galleria-iska | 2010-09-23 15:10 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 20日

ロバート・メイプルソープ展の案内状「Holly Solomon Gallery」(1977)

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1969年に早くも夫と共にニューヨークにオルタナティヴ・スペースを設け、パフォーマンスアートなどの実験的な試みを行なっていたホリー・ソロモン(Holly Solomon 1934-2002)は、自らがコレクションしていたラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルやリキテンスタインを始め、未だ知名度の低かったクリスト、ナム・ジュン・パイク、ウィリアム・ウェグマンなどの初期作品の展覧会を企画するようになり、1977年には二度に渡ってメイプルソープ最初期の個展である「Flowers」と「Portraits」を開催している。これは1976年に撮られた「Pan Head and Flower」を使った「Flowers」展の案内状。

性豪として名を馳せたパン(牧神)が南米の密林産のアンスリウムの花弁に軽く口を添えている写真だが、アンスリウムの「恋にもだえる心」という花言葉を知らずとも、その形体と色彩はエロティックな妄想を描き立てるに充分である。オリジナルは勿論、八セルブラッドによって撮影された正方形のフォーマットだが、案内状では、画面の左側の方が大きくトリミングされている。ギリシャ神話に登場する若き牧神というモチーフは、19世紀末から1920年代にかけてシシリー島で数多くの少年のヌード写真を撮ったヴィルヘルム・フォン・グローデン男爵の写真にそのイメージの源泉を辿ることができそうだが、グローデンの、ギリシャ時代の性への回帰ともとれる少年狂い、すなわちナルシズムへの憧憬を、ゲイとしての現実に身を置くメイプルソープは、ゲイを生来の気質として生きる自己を、より直裁に被写体に投影していたように思われる。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Annoucement
●サイズ:153x108mm
●技法:Offset
●発行:Holly Solomon Gellery Inc., New Nork
●制作年:1977

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# by galleria-iska | 2010-09-20 23:22 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 20日

ロバート・メイプルソープ展の招待状「Galerie Jurka」(1979)

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オランダのアムステルダムにあるユルカ画廊(Galerie Jurka)は、ヨーロッパでは、1978年のパリでの個展に続き、二番目にメイプルソープの写真展を開催した画廊で、1988年まで継続的にメイプルソープの個展を開催している。これは1979年5月5日に行なわれたオープニングへの招待状で、この年撮影されたパティ・スミスの肖像写真が使われている。同時に刊行された図録(写真集)には、表紙を含め24点の作品が収録され、口絵として、ヘルムート・ニュートンの妻でアリス・スプリングスという名で写真を発表しているジューン・ニュートンがパリで撮影したメイプルソープの肖像写真が添えられている。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:250x147mm
●発行;Galerie Jurka, Amsterdam
●技法:Offset
●制作年:1979

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メイプルソープ写真展の図録、ソフトカバー、蘭語/英語、54ページ、1979年刊行

図録のカバーに使われた「Larry De Smedt(ラリー・ド・スメット)」の表情にアンディー・ウォーホルの固定カメラで撮ったの「眠り(Sleep)」(1963年)の匂いを嗅ぎつけたのなら、メイプルソープが過去のあらゆる映像遺産というものを研究し、それをメイプルソープ流に創り直していったのか、その一端を窺い知ることが出来る。

●著者:Rein von der Fuhr
●題名:Robert Mapplethorpe Foto's/Photographs
●サイズ;281x215mm
●出版:Galerie Jurka, Amsterdam
●印刷:Wim Schroot, Amsterdam

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口絵:アリス・スプリングスによるメイプルソープの肖像写真
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# by galleria-iska | 2010-09-20 18:15 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 13日

ロバート・メイプルソープのポスター/メイラー「Robert Miller Gallery」(1983)

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1983年にロバート・ミラー画廊で行なわれたロバート・メイプルソープの個展で話題を呼んだのが、悪魔を象徴すると言われる「逆さ五芒星」をバックに、革のコートに身を包みマシンガンを手にする自らの姿を撮った写真を用いたポスター/メイラーで、オープニングへの招待状にもなっている。メイプルソープは写真家としては例外的に数多く自画像を撮っているが、それは彼が写真教育を通過した写真家ではなく、プラット・インスティチュートにおける絵画、彫刻といった美術教育を通して獲得した美術家としての素地によるところが大きいと思われる。写真家の、一旦自己の存在を棚上げし、レンズという冷徹な目によって観察される対象の精神の奥深くまで踏み込んでいくという、自己の不在による行為とは異なり、多くの画家がそうであるように、メイプルソープもまた、作品の主題として最も身近にあるのが自身の姿ということに何の疑いも抱いてはおらず、むしろ嘘偽りの無い存在としての自己の姿を通して、自らの魂の奥底を窺い知りたいという衝動に駆られたのではないだろうか。

翻って、昨今、生のままの自らを対象とはせず、コンストラクテッド・フォトとかステージド・フォトと呼ばれる、虚構空間を設定し、その中で他者を演ずる自己の姿を撮影する作家がいるが、ある者に扮することで自らを客体化し、仮の姿に投影された自己の内面を他者である自分が観察するという二重構造を設定する方法論は、現実との生の関わりに対してのある種のストレスを避けようとする意識の現れと言えなくもない。それは全てが複製され消費される時代において固有の生の意味が喪失してしまう危機をひとまず先送りするために、自らを複製された対象と化し、それを消費していく自己完結型消費構造の場を、写真に見い出したのかもしれない。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Mailer/ Poster
●題名:Self Portrait(with gun and star),1982
●サイズ:685x510mm
●技法:Offset
●発行:Robert Miller Gallery, New York
●制作年:1983
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ポスター/メイラーは八つ折りにし、関係者や顧客に郵送された。
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# by galleria-iska | 2010-09-13 22:10 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)
2010年 09月 09日

ロバート・メイプルソープ展招待状「Moderna Museet」(1993)

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ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplathorpe, 1946-1989)が亡くなって4年後の1993年にスウェーデンのストックホルム近代美術館で開催された回顧展『Robert Mapplethorpe European Retrospective』 のヴェルニサージュへの招待状。使われたのは、1985年の自画像「Self portrait with Horns」で、アルチュール・ランボーの詩集「地獄の季節」(A Season in Hell, Limited Editions Club,1986)に挿入するために撮影された作品。この回顧展は、1992年から1993にかけて日本各地を巡回した展覧会のヨーロッパ版。日本での展覧会は、教育(開催地各教育委員会の後援を得るため)および道徳的配慮により、メイプルソープのメイプルソープ所以たる作品が外されるという、相いも変わらぬ茶番が繰り返された。牙や爪のないライオンがごとき希釈された内容によってメイプルソープの美の背後に潜む彼の性の本質に慄き戦慄し得るのだろうか。

ことの本質は誰もが理解しているはず。それが生と死の間に横たわる、最大の存在証明であるがゆえに。人間が自然から限りなく遠ざかるための指標として創り上げた《神》という幻影を顕在化させるために、衰え、乾き、やがて朽ちていく不合理な存在としての肉体は精神の外に疎外され、自己の主体的な実在性は肉体の外に形成されることによってより純化され普遍性を獲得するに至る。肉体は情念(=混沌)の器、精神の仮の宿として覆い隠される。而して昼は闇、夜は光となり、残酷までに無防備かつ無表情の肉体は他者との交合の内に自らを客体化する。そしてこの客体化された肉体を手中に取り戻すため性的対象を内在化し、行為者としての自己と対象としての他者を同一化することにより、制度としての性における存在の喪失感から自らを救い出そうとするのが、ホモ・セクシュアルでありレズビアンである。

●作家:Robert Mapplethorpe(1946-1989)
●種類:Invitation
●サイズ:230x230mm
●技法:Offset
●発行:Moderna Museet, Stockholm, Sweden
●制作年:1993

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招待状の提示で三人まで入場可能とある。
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# by galleria-iska | 2010-09-09 23:32 | ロバート・メイプルソープ関係 | Comments(0)